『タイトロープ』(原題:Tightrope)は、1984年制作のアメリカ合衆国のサスペンス・スリラー映画。
クリント・イーストウッド主演兼製作。彼が主演した『アルカトラズからの脱出』の脚本を手掛けたリチャード・タッグル(Richard Tuggle)が脚本兼監督(初監督作品)。クリントの実の娘、アリソン・イーストウッド(当時12歳)が彼が扮する主人公の娘役で父子共演している[2]。
あらすじ
ニューオリンズ市警殺人課のウェス・ブロック刑事は離婚後、アマンダとペニーという2人の娘と暮らしていた。歓楽街フレンチ・クォーターで働く赤毛の娼婦が殺された。娼婦は手錠をはめられ、前後から犯された上、赤いリボンで首を絞められていた。美女殺人の2人目の犠牲者だった。レイプ・センターのベリルという女性が面会にきて、捜査の手ぬるさをなじられる。夜、聞き込み捜査を再開し、ある娼婦の挑発に乗る。ネクタイを忘れて出てきた刑事をスニーカーの男が見つめていた。第3の犠牲者。ブロックは聞き込み先の娼婦に手錠をかけてセックスし、快感を覚える。元妻は結婚して子どもを引き取るという。第4の犠牲者はブロックと寝た娼婦だった。アスレチック・クラブでベリルに再会し、ミシシッピ川の遊覧船で食事をし、互いに心が通じあう。届いた殺人予告にタイプされた名刺をたよりにサムの店へ行くとプラリーヌの店へ行けといわれる。近寄ってきたゲイの1人が倉庫で犯人と会うという。約束の時間に倉庫に着き、ゲイの死体を発見。続いて2人の犠牲者。同僚から「犠牲者たちを知っているのか」といわれて嘘をつく。第7の犠牲者の近くの像にブロックのネクタイが結んであった。次の夜、ブロックは娘2人、ベリルと一緒に カーニヴァル を楽しむ。4人をスニーカーをはいたピエロ姿の風船売りがじっと見つめていた。犯人像がしぼられ、ビール工場を訪ねる。夜、ブロックが帰宅するとアマンダは両手に手錠をはめられ犯されていた。家政婦が殺されていた。背後から襲われ、抵抗すると犯人は逃げ出した。ビール工場に勤めるロルフという男が浮上。元警官で2人の少女をレイプしてブロックに逮捕された男だった。警察はベリルの家を見張るが、ロルフは見張りの刑事を殺して侵入し、ベリルを殺そうとするが抵抗。駆けつけたブロックが長い追跡の末に墓場から鉄道の線路で追いつく。乱闘のところに列車が通過。ブロックが立ち上がると、ロルフの手首だけが残っていた。
登場人物
- ウェス・ブロック
- 演 - クリント・イーストウッド
- ニューオリンズ市警殺人課の刑事。今回の事件を捜査する。妻とは離婚している。正義感が強く、スポーツジムで精力的に体を動かす元気な男だが変わった性癖を持つ。
- ベリル・ティボドー
- 演 - ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド
- レイプ・センターの職員。スポーツジムで鍛えている。
- モリナーリ
- 演 - ダン・ヘダヤ
- ブロックの部下。
- ロルフ
- 演 - マルコ・セント・ジョン
- 殺人犯。元警官で少女に暴行して捕まった過去がある。
- アマンダ・ブロック
- 演 - アリソン・イーストウッド
- ウェスの娘。多忙な父を心配している。終盤ではレイプをされて心に傷を負う不幸を経験する。
- ペニー・ブロック
- 演 - ジェニー・ベック
- ウェスの娘。アマンダの妹。幼さから普通なら恥ずかしい言葉を臆面もなく言う。
- ベッキー
- 演 - レベッカ・パール
- 情婦。犯人に殺害される。
キャスト
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは13件のレビューで支持率は85%、平均点は6.70/10となった[4]。Metacriticでは10件のレビューを基に加重平均値が61/100となった[5]。
脚注
外部リンク