ジェットロン(Jeticons)とは、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』のスタースクリームをリーダーとする、デストロン軍団における航空部隊である。
軍団の中では強大な戦力と火力を保有し、以後、様々な作品に引き継がれていく。海外版では、一つのグループとはされていない。
G-2のイギリス版では「Sky Raiders」と呼ばれている。また、ファンによる愛称として「Seekers」がある。
陸上戦力を主とし、航空戦力に大きく劣るサイバトロンを徹底的に叩き、制空権を制覇する。単体での戦力はそれほど高いとは言えず、それゆえ、集団で行動することが多い。
スタースクリームがリーダーだが、彼の人望の無さに加え、各々が単独行動を取ったり、メガトロンの命令で動く機会も多いため、あまり整備された指揮系統を感じさせない。
マグダネル・ダグラス F-15イーグルに変型。セイバートロン星にいたころ(地球でリペアされる前)は、三角錐型の戦闘機に変形していた[1]。
第30話「タイムトラベラー」において、過去に飛ばされたスタースクリームを見た現地の住民が、彼の身長を「7m」と目測している。実際のF-15の全長は19.43mである。
パイロット版にあたる第1~3話ではスタースクリーム、スカイワープ、サンダークラッカーの3体以外にも、緑や紫、青緑など、様々な色をした、名も無きジェットロンたち / Decepticon Jets(声 - 江原正士、難波圭一)が多数登場している。多くはボディが白、手足の細部が黒である。
名前のあるジェットロンたちが『ザ・ムービー』で死亡、あるいはユニクロンによって作り変えられる中で、そのままの姿で生き延びた、無名のジェットロンが『2010』に登場している。
セイバートロン星を舞台にしたエピソードでは、レーザーウェーブの部下として登場した。彼らは皆、セイバートロンモードの飛行機に変形する。
無名のジェットロンのうち、以下の4体は、2000年代以降の玩具展開で、設定と名称が付け加えられて販売された。
この無名のジェットロンたちの存在と関連する問題として、スタースクリームらと同型のジェットロンはセル画の塗り間違いが非常に多く、シーンによって別のキャラに変化したり、スタースクリームが2体いるなどの作画ミスが頻繁に見られた。
第18話(海外版では第19話)より登場。以下の3体は「新ジェットロン」などと呼ばれ、序盤から登場したジェットロンとは区別される。
翼のデザインが各々異なっており、皆ロボットモードの頭頂部が尖っているのが特徴。そのため英語圏では「Coneheads」(トンガリ頭)の愛称がある。
劇中でジェットロンと共に行動することはあまり無かったが、第24話では6機編成で飛行する姿が見られる。彼らは自分たちを「銀河系最強のジェットファイター」と自負している。
LD BOXセットの「パート2 デストロンBOX」のジャケットに描かれた高荷義之のイラストでは、彼ら新ジェットロンと同型のボディに、スタースクリームと同じカラーリング・翼が施された兵士が確認できる。
MOVIEでは、ユニクロンが襲来した際に破壊されたように見えたが、『2010』にて再登場している(なおこのシーンには、一瞬ではあるがスタースクリームなどと同型同色のジェットロンも姿を見せている)。
以下の面々も、資料によっては、ジェットロンとされる。
ジェットロンは元々、海外版では一つのグループとされていなかったこともあり、ライバルに関する公式設定は無い。
サイバトロン側の主戦力で、国内で、独自にカテゴライズされた、オートボットとも、対立・拮抗の図式は描かれていない。
飛行能力という点では、シリーズ後半に登場した、サイバトロン航空部隊 エアーボットがライバルに近い存在だが、アニメでは、両者が同じエピソードに登場することは少なく、戦闘シーンもわずかである。
以降の玩具展開では、ターゲットマスター、ゴッドマスターの面々にも、ジェットロンの名が冠されている者がいる。
初期のジェットロンは、ダイアクロンのジェット機ロボからの流用。スタースクリームは超高速戦闘タイプの仕様変更品。サンダークラッカーはアクロバットタイプの流用である。いずれも開発担当は大野光仁[5]。
日本では「22~24」のナンバーを与えられて発売。
86年12月に絶版となったが、スタースクリームは『2010』が放送された時期に発売された「グッドバイ メガトロンセット」に同梱された。
シーズン2より登場の新ジェットロンは、カラーリングと翼やミサイルの形状を変更して、ラムジェットとスラストが「D-56」「D-57」のナンバーを与えられて86年2月ごろに発売。ダージは国内ではロボットポイントによる海外版の通信販売となり、88年ごろまで販売された。
ムービーから登場したサイクロナス、スカージは、玩具は完全な新規造形だが、ハスブロとタカラ、東映動画の連携に問題があり、アニメと玩具ではイメージが異なる。日本では「D-70」「D-71」のナンバーを与えられ、86年11月に発売。
海外ではその後、パートナー、合体用のジョイントを設けたターゲットマスター版が発売され、日本でも発売予定があったが、未発売に終わった。
2001年に、スタースクリームが復刻。
後に『コレクターズエディション』で、スカイワープとサンダークラッカー、ラムジェットとスラスト、ダージはイベント限定で復刻された。2004年には、e-Hobby限定でサンストームが発売。
スタースクリームはその後も『トランスフォーマー コレクション』『トランスフォーマー アンコール』と幾度も復刻されたが、2008年8月には『アンコール』の「11」で、スカイワープ&サンダークラッカーが2体セットで発売。
スラストとラムジェット以外は米国でも復刻されたが、安全基準の都合により、ミサイルの形状が異なっている。
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