コルモラン (ドイツ語 : Kormoran )は、西ドイツ で開発された空対艦ミサイル 。形式番号はAS.34 。
来歴
1962年より、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム (MBB)社において研究開発が着手され、その後フランス のノール・アビアシオン (後のアエロスパシアル )社も参画した。最初の試射は1967年 に行われ、1974年 に実戦配備が承認された。最初の量産弾は、1977年 12月にドイツ連邦海軍 に引き渡された。
また1983年には、射程延伸や弾頭大型化などを図った発展型としてコルモラン2の開発が開始され、1991年1月には配備可能と宣言、1996年より就役した。
設計
トーネードIDSからの発射シーン
ミサイルの誘導方式 は、中間航程では慣性誘導 、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング (ARH)方式とされている。射撃モードは、ミサイルのシーカーにより目標を捕捉・追尾する「レーダー追尾」(lock-on )、母機のレーダーによって目標を捕捉・追尾する「レーダー捕捉」(acquisition )、および「目視」の3つがある。レーダーは優れた電子防護 性を備えている。
弾頭重量は160キログラム、炸薬 量は55キログラムである。ペイロードは16個の底浅な自己鍛造弾 (P-charges)から構成されており、それぞれ70〜90ミリメートルの装甲を貫徹できた。またコルモラン2では、弾頭重量は99.8 kgに強化されている。
本ミサイルは、低空飛行中の攻撃機であっても、短時間ポップ・アップするだけで発射可能なように設計されていた。攻撃中にマッハ0.6から0.95を維持できて、目標を探知するレーダーと自動航法装置を備える攻撃機であれば搭載可能とされているが、運用のためにはPHI(position and homing indicator )および発射機構を備える必要があった。
配備
本ミサイルは、洋上航空阻止 任務におけるトーネード IDS の主兵装として、ドイツ海軍航空隊 やイタリア空軍 で運用されていた。またドイツ海軍航空隊では、F-104G にも搭載された。運用は2012年までに終了した。
出典
参考文献
関連項目