グレンロセス蒸留所

グレンロセス
グレンロセス蒸留所
グレンロセス蒸留所
地域:スペイサイド
所在地 ロセス
北緯57度31分36.3秒 西経3度12分59.7秒 / 北緯57.526750度 西経3.216583度 / 57.526750; -3.216583座標: 北緯57度31分36.3秒 西経3度12分59.7秒 / 北緯57.526750度 西経3.216583度 / 57.526750; -3.216583
所有者 Berry Brothers and Rudd
創設 1878年
現況 操業中
グレンロセス
熟成期間 ヴィンテージ・リザーヴ
1989年
1998年
2007年
など、10種のビンテージを使用
樽の種類 シェリーカスク
バーボンカスク
度数 40

グレンロセス (: The Glenrothes [ɡlɛnˈrɒθɪs]) は、スコットランドスペイサイド地区バーン・オブ・ロセス (ローゼス、the Burn of Rothes) 付近のグレンロセス蒸留所で生産されるシングルモルトスコッチ・ウイスキーである。グレンロセスはブレンデッド・ウイスキーの原酒として評価が高く、その98%がカティーサークフェイマスグラウスといったブレンデッド・スコッチ・ウイスキーに使用されている[1]ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝がウイスキーの製法を学んだ蒸留所のひとつとしても知られている[2]。グレンロセスは2010年Edrington GroupからBerry Brothers and Ruddに売却されたが、2017年に買い戻されている[3]

生産

1993年より、グレンロセスは他の多くのシングルモルトと異なり[4] 、ボトリングは熟成年数(age)ではなく製造年(vintage)によって決定され、ボトルにはワインのように製造年が記されている。 ただし、「ヴィンテージ・リザーヴ」(Vintage Reserve)、「シェリー・リザーヴ」(Sherry Reserve)として販売されているものはビンテージではなく、複数のビンテージをブレンドして製品化している。 グレンロセスは主にスペインのシェリー樽によって熟成されるが、 バーボン樽も使用されている [5]

特別なボトルとして、特定の年のウイスキー一つから瓶詰された「シングルカスク」の製品がある。また、1980年代後半、グレンロセス蒸溜所がグレンロセスをビンテージとして売り出すと決心する数年前に、1974年以前のウイスキー樽は同じ場所で熟成されたままになっていたが、これらの樽は30年物のグレンロセスとして販売された。これは1134点しか販売されなかった。

特色

日本で販売を行っているレミー コアントロー ジャパンでは、グレンロセスの特色について、「“ヴィンテージ” シングルモルトが身上の、スコッチウイスキー業界のパイオニア」と表現している。[6]。 ウイスキー・ライターのマイケル・ジャクソンは、グレンロセスについて、「芳香があり、甘く、スパイシーでフルーティー。ディナーの後に適している」と評価している[7]

歴史

この蒸留所は1878年、当時近くのマッカラン蒸溜所を経営していたJames Stuart & Coによって設立された。最初のウイスキーが蒸留器から生まれたのは1879年12月28日で、テイ橋の崩落事故が起きた日とちょうど同じだった[8]

この蒸留所の船出は不安定で、火事や事故にしばしば悩まされてきた。標準強度以上のアルコール分を含んだウイスキーは周知のようにとても燃えやすく、蒸留所はその代償を払わなければならなかった。1896年には二つ目のキルン(kiln, モルト乾燥のための建物)の拡張工事と蒸留器の二基から四基への増加に取り掛かったが、工事が終わる前に、1897年12月の火事で甚大な被害を受けた。蒸留所はさらに1903年の重大な爆発事故でダメージを受けた。

1902年には、第一倉庫の火事により約 200,000英ガロン (910,000 L) のウイスキーを損失した。1962年のさらなる火事を機に拡張が行われ、1982年のさらなる再建により、蒸留器の部屋は五つのウォッシュ・スチル(一回目の蒸留)のための蒸留器と五つのスピリット・スチル(二回目の蒸留)のための蒸留器を備えるようになった[9]

日本での販売

2015年よりレミー コアントロー ジャパン株式会社にて販売。

  • グレンロセス ヴィンテージ・リザーヴ(40%)
  • グレンロセス シェリー・リザーヴ(40%)
  • グレンロセス 1998(43%)
  • グレンロセス 1995(43%)
  • グレンロセス 1991(43%)
  • グレンロセス 1988(43%)
  • グレンロセス 1978(43%)

※すべて700ml。

参照

  1. ^ 土屋守『シングルモルトを愉しむ』光文社〈光文社新書072〉、2002年。ISBN 4-334-03172-2 267頁
  2. ^ 土屋守『シングルモルト大全』小学館、1995年。ISBN 4-09-387170-1 136頁
  3. ^ scotchwhisky.com (2017年). “Glenrothes sold back to Edrington”. May 18, 2017閲覧。
  4. ^ Page 139, Malt Whisky Yearbook 2010. ISBN 978-0-9552607-6-6
  5. ^ Scotland.com. “The Glenrothes Distillery in Scotland”. July 3, 2015閲覧。
  6. ^ レミー コアントロー ジャパン株式会社公式サイト The Glenrothes
  7. ^ Jackson, Michael (1994). Michael Jackson's Malt Whisky Companion. London. Dorling Kindersley Limited. ISBN 0-7513-0146-9
  8. ^ The Glenrothes Distillery”. Grainmash.com (2008年11月10日). 2009年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月3日閲覧。
  9. ^ "Glasgow University" (2011年). “Records of Highland Distilleries”. 2011年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月5日閲覧。

外部リンク