クロム鋼(クロムこう、chromium steel)とは、炭素鋼に1%前後のクロムを添加した組成を持つ合金鋼のことである[1]。耐食性を向上させるためにクロムを10%以上含ませたものはステンレス鋼と呼ばれる。
合金鋼としては低廉でありながら、炭素鋼と比べ焼入れ性・焼き戻し軟化抵抗性・耐摩耗性に優れている[2]。焼入れ性は、直径約60 mm程度まで焼入れできる[3]。小物強度部材などで炭素鋼では不十分な場合に用いられている[2]。
規格
JISでは、機械構造用合金鋼鋼材として材質記号SCrとそれに続く番号で規定されている。炭素・クロム以外にも、ケイ素やマンガンの添加量が定められている。
JIS G 4053:2008 機械構造用合金鋼鋼材(単位: %)
種類の記号 |
炭素 |
ケイ素 |
マンガン |
リン |
硫黄 |
ニッケル |
クロム
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SCr415 |
0.13 - 0.18 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
|
SCr420 |
0.18 - 0.23 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
|
SCr430 |
0.28 - 0.33 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
|
SCr435 |
0.33 - 0.38 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
|
SCr440 |
0.38 - 0.43 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
|
SCr445 |
0.43 - 0.48 |
0.15 - 0.35 |
0.60 - 0.90 |
0.030以下 |
0.030以下 |
0.25以下 |
0.90 - 1.20
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出典
- ^ 門間改三『大学基礎 機械材料』実教出版、1982年、85頁。
- ^ a b 坂本卓『絵とき 機械材料 基礎のきそ』(初版)日刊工業新聞社、2007年、67-68頁。ISBN 978-4526058479。
- ^ 佐々木雅人『機械材料入門』(第1版)理工学社、2005年、62頁。
関連項目