クラーケン海(クラーケンかい、英: Kraken Mare、ノルウェー語: Kraken Mare)は、土星の衛星タイタンの北極に存在する液体の湖。タイタンで2016年現在発見されている最大の湖である。
発見
2007年に土星探査機カッシーニによって発見され[1]、2008年にクラーケン海と名づけられた。名前は北欧伝承に登場する海の怪物クラーケンに由来する。
地形
クラーケン海は全長約1,170km、面積約400,000km²の広大な液体の湖で[2]、タイタンの北極地域では最大の湖だと考えられている[1]。湖の最大深さは160mほどであり、1.5cmと浅い表面張力波 が秒速0.7mで動くのが観測されている[3]。レーダー観測から、湖の主成分は炭化水素(主に液体メタン)であることが判明している。地球のカスピ海よりも大きいと見積もられている。
クラーケン海の北端には、湖で最大の島であるメイダ島が位置する。クラーケン海は、タイタン北極地域第2の湖リゲイア海と水文学的に繋がっている可能性がある。[4] 北部中央にはベイタ海峡を挟んでビミニ島とポンライ島がある。
クラーケン海の北緯67度西経317度の地点には、幅約17kmと地球のジブラルタル海峡に近いサイズの細い海峡がある。通称「クラーケンの喉」正式にはセルダン海峡と命名されたこの海峡は[5]、クラーケン海の海流にとって重要な場所だと考えられている[6]。タイタンの軌道離心率はクラーケン海に1mほどの潮汐を引き起こしている可能性があり、生み出された流れはこの水域で秒速0.5mに達し、渦を巻いているかもしれない[4]。
探査
2016年現在提案されているタイタン・サターン・システム・ミッションでは、探査機をクラーケン海に着水させ、その組成に水深、その他多くの情報を観測する計画もある。
画像
脚注
関連項目
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外部リンク