カキラン(柿蘭、学名:Epipactis thunbergii A. Gray )は、ラン科カキラン属の多年草[2]。別名がスズラン[2]。
特徴
茎の高さは、30-70 cm[3]。葉は茎に互生し、卵状披針形で、基部が鞘状になって茎を抱く。上部にいくにしたがって葉は小さくなる。花期は6-8月で[3]、黄褐色の花を茎の先に10ほど総状につけ、下方から開花していく。花の唇弁にある紅紫色の模様が目立つ。和名は花の色が柿の実の色に似ていることに由来する[3]。
東北地方の花の黄色に紅紫色の模様がなく、茎の下部が紫色を帯びないキバナカキラン(Epipactis thunbergii A.Gray f. flava Ohwi )及び九州南部の唇弁が側花弁と同形であるイソマカキラン(Epipactis thunbergii A.Gray f. subconformis Sakata )の品種がある[2]。
分布と生育環境
ロシアのウスリー、中国東北部、朝鮮半島、日本に分布する[2]。
日本では北海道、本州、四国、九州、種子島、奄美大島、徳之島[4]にかけて広く分布する[3]。山野の日当たりのよい湿地[3]、沢沿いなどの湿り気のある場所に自生する。田中澄江による『花の百名山』で、宮崎県の祖母山を代表する花のひとつとして紹介されている[5]。
種の保全状況評価
日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[6]。多数の都道府県で、開発による湿地の減少[7][8][9][10][11]、湿った草地の減少[12]、草地の開発[13]、森林伐採[14]、環境遷移による湿地の乾燥化[10][13][15]、栽培目的のための採集[8][9][10][11][12][14]などにより減少傾向にある[6]。
脚注
注釈
- ^ 東京都北多摩と伊豆諸島は絶滅危惧II類。
- ^ 北海道の絶滅危惧種(En)は、環境省の絶滅危惧IB類相当。
- ^ 千葉県の重要保護生物(B)は、環境省の絶滅危惧IB類相当。
- ^ 奈良県の絶滅危惧種は、環境省の絶滅危惧II類相当。
- ^ 岩手県のCランクは、環境省の準絶滅危惧相当。
- ^ 兵庫県のCランクは、環境省の準絶滅危惧相当。
出典
参考文献
外部リンク
ウィキスピーシーズに
カキランに関する情報があります。
ウィキメディア・コモンズには、
カキランに関連する
メディアおよび
カテゴリがあります。