よしもと よしとも(男性、1964年3月14日 - )は、日本の漫画家。神奈川県出身。血液型はAB型。既婚。
神奈川大学中退。漫画家の石渡治は実兄。過去に『日刊吉本良明』という作品を発表しているが、「吉本良明」は本名ではない。妻は広末涼子のNTTドコモのポケベルCMなどの演出を手がけている映像作家の中村佳代。娘はmerimeriyeahのドラマーの石渡朔子[1]。
略歴
1985年、神奈川大学在学中に執筆した私生活暴露ネタ4コマ『日刊吉本良明(りょうめい)』で第1回あすかまんがスクールに入選しデビュー。続いて発表された長編『レッツゴー武芸帖』『東京防衛軍』では、望月峯太郎等のニュー・ウェーブ派の影響を受けた絵柄での、狂騒的なギャグ漫画を展開。また、『東京防衛軍』では、東京ロッカーズなど80年代初頭のインディーズへの愛情を表現している。
その後は、完成度の高い短編を多数発表、発狂寸前の若者の感情を物静かな描写で描き、オシャレな青少年の共感を呼んだ。代表作は、『青い車』『よいこの街角(補習授業)』など。絵柄は少女漫画と青年漫画の中間に位置している。
『青い車』は2005年に奥原浩志監督によって映画化されている。なお『青い車』のタイトルはスピッツの同名シングル曲から。
寡作であることで知られており、短編発表の間に数年経つことが何度もある。ただし未単行本化作品も多い。
岡崎京子の『セカンド・バージン』のアシスタントを務めた事があり、その単行本には“H・イシワタ”と名がクレジットされている。
音楽好きであり、曲を聴きながらネームを描くことがある。
2002年を最後に新作が途絶えていたが、2009年8月、文芸誌『パンドラ』Vol.4(講談社)にて、「魔法の国のルル」以来約8年ぶりとなる新作「見張り塔からずっと」を発表した[2]。翌2010年1月には衿沢世衣子『ちづかマップ』の帯にコメントを寄せている[3]。
2010年8月、文芸誌『小説宝石』9月号(光文社)に「噛みながら」前編(長嶋有の小説の漫画化[4])を、10月号には後編を発表。大胆なアレンジと完成度の高さで健在ぶりを示した。
2014年5月、オダギリジョー主演の映画『ひもかわラプソディ』公式サイトにメッセージを寄稿。本作の脚本に関わったことを明かした[5]。
2016年7月、矢寺圭太『おにでか!』(小学館クリエイティブ)1巻の帯にコメントを寄稿。
2017年10月、Twitterにて、今後も自作の電子書籍化を一切行う意思はない[6] と表明。同月公開の映画『緑色音楽』の脚本協力を務める[7]。
2018年6月、noteにて小説「イケメン漁師」の連載を開始。同月、曽我部恵一とウェブマガジン「フィナム」にて対談を行った[8]。
2020年9月、新型コロナウイルスの流行に際し行われた講談社のリレー漫画企画「MANGA Day to Day」Twitter上で、「噛みながら」以来10年ぶりとなる新作「OHANAMI 2020」を発表[9]。
作品リスト
単行本
その他の漫画作品(未単行本化作品も含む)
小説
- 寂しき4番街(2003年、『文藝』秋季号)
- 西荻タワー(2004年、文藝別冊『KAWADE夢ムック やまだないと』)
- 見張り塔からずっと(オリジナル・バージョン)(2009年、(財)文字・活字文化推進機構ホームページ)
- イケメン漁師(2018年 - 、note)3話まで発表、未完。
イラスト
- キーワード事典編集部編『アメリカ“最強”のロック』(1993年、洋泉社)装画・挿絵
- 佐藤大『メイキング・オブ・カウボーイビバップレックレス・プレイヤーズ』(1999年、メディアファクトリー)挿絵
- 東川篤哉『ここに死体を捨てないでください!』(2009年、光文社)装画
- 阿部真大『ハタチの原点─仕事、恋愛、家族のこれから』(2009年、筑摩zero双書)装画
- エリック・スピッツネイゲル(訳・浅倉卓弥)『レコードは死なず』(2021年、Pヴァイン)装画
- チャック・クロスターマン(訳・島田陽子)『生きるために死ね──死とロックをめぐるアメリカ紀行』(2022年、Pヴァイン)装画
CDジャケット
デザイン
脚注
外部リンク