硝酸水銀(I)(しょうさんすいぎん(I)、英: Mercury(I) nitrate)は水銀の硝酸塩で、化学式Hg2(NO3)2で表される無機化合物。
反応
水銀と希硝酸との反応により得られる。この際濃硝酸を使用すると硝酸水銀(II)が生じる。還元性を持ち、空気に触れると酸化する。水溶液にすると酸化を遅らせることができる。
熱湯との接触や光の曝露により不均化反応が起き、硝酸水銀(II)と水銀に分解する[2]。
安全性
日本の毒物及び劇物取締法では毒物に、消防法では第1類危険物(酸化性固体)に分類される。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は170mg/kg、経皮投与した場合のLD50は2330mg/kgである。眼や皮膚への腐食性がある。摂取した場合は主に腎臓や神経系に影響が及ぶ。
これ自体は不燃性であるが、酸化剤であり周囲での燃焼を助長する。加熱による分解で腐食性・毒性のある煙霧を生じることがある[3]。
脚注
- ^
Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 4–45, ISBN 0849305942
- ^ a b
Patnaik, Pradyot (2003), Handbook of Inorganic Chemical Compounds, McGraw-Hill Professional, pp. 573, ISBN 0070494398, https://books.google.co.jp/books?id=Xqj-TTzkvTEC&pg=PA552&dq=%22Manganese(II)+acetate%22&as_brr=3&ei=MGFjSui2KYXgygSE4bSYDQ&client=firefox-a&redir_esc=y&hl=ja 2009年7月20日閲覧。
- ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)