滝川 杏奴(たきがわ あんぬ、本名非公開)は日本の小説家、エッセイスト。
略歴
神奈川県横浜市生まれ。作家の早乙女勝元は叔父。早乙女朋子名義で子役として、フジテレビの連続ドラマ「ふしぎ犬トントン」準主役などを務める。[1]
日本映画学校(現・日本映画大学)で脚本家・桂千穂に師事し、卒業後、にっかつ(現・日活)に入社。ロマンポルノ最後の宣伝ウーマンとなる。[2]
退社後はフリーとして、伊丹十三作品などの製作宣伝を手掛ける。[3]
早乙女朋子のペンネームで執筆した「バーバーの肖像」で、1995年に第8回小説すばる新人賞(集英社)を受賞。[4]集英社から単行本「バーバーの肖像」「子役白書」を出版した。[5]
2017年、官能小説誌「特選小説」(辰巳出版)に発表した「天使が濡れるまで」で官能作家デビュー。
日刊スポーツ新聞の連載小説「悦楽クリニック・凜子」(「悦楽クリニック!」に改題)は佐々木浩久監督によって映画化され、「劇場版・悦楽クリニック! 凛子の淫らな冒険」[6]のタイトルで2019年8月に「OP PICTURES+フェス2019」[7](テアトル新宿)で上映された。
2018年12月、早稲田大演劇博物館の公開研究会「プレスシートから読み解く日活ロマンポルノ」で講師を務めた。[8]2019年11月には文教大の公開研究会「サブカルチャーとしての日本映画〜すべてはエロスから始まった」で講師を務めた。
ピンク映画ベストテン2019桃熊賞の審査員[9]、同2020桃熊賞の審査員を務めた。[10]、
2020年10月、官能作家としての初の書き下ろし作品「ふたつの月に濡れる」(ジーウォーク・紅文庫)を出版。同作は佐々木浩久脚本監督で映画化され、「OP PICTURES+フェス2024」上映作品に選出された[11]。
2022年3月、「終わりなき夜に濡れる」(ジーウォーク)を出版。
日本文芸家クラブ会員。
主な作品
- 『バーバーの肖像』集英社、1996年。ISBN 408774177X。
- 『チェリーブロッサム』小説すばる、1996年。
- 『子役白書』集英社、1997年。ISBN 4087752208。
- 『骨の恋』小説すばる、1998年。
- 『マニキュア液を点して…』小説すばる、1999年。
- 『祭りの迷い子』小説すばる、2000年。
- 『天使が濡れるまで』特選小説、2017年。
- 『純情探偵物語』特選小説、2018年。
- 『純情探偵物語〜大阪の売春組織を打ち破れ〜』特選小説、2018年。
- 『最終バスの女』特選小説、2019年。
- 『悦楽クリニック!』Aubebooks(電子書籍)、2019年。
- 『純情探偵物語〜天才盗撮犯を追え〜』特選小説、2019年。
- 『純情探偵物語〜謎の千手観音〜』特選小説、2020年。
- 『ふたつの月に濡れる』ジーウォーク・紅文庫、2020年。ISBN 978-4-86717-098-4。
- 『マイ・チアガール』特選小説、2020年。
- 『純情探偵物語~さらば愛しの相棒~』特選小説、2021年。
- 『終わりなき夜に濡れる』ジーウォーク、2022年。ISBN 978-4-86717-398-5。
- 『純情探偵物語~黒い巨塔に潜入せよ~』特選小説、2022年。
- 『純情探偵物語~魔女の宴~』特選小説、2023年。
主な連載
- 「雌しべの眺め」(日刊スポーツ、2018年)
- 「ロマンポルノに恋して」(同、2018年)
- 「悦楽クリニック・凜子」(同、2019年)
主な映像化作品
- 「劇場版・悦楽クリニック! 凛子の淫らな冒険」(佐々木浩久監督、2019年公開)
- 「ふたつの月に濡れる」(佐々木浩久監督、2024年公開)
脚注
関連項目
外部リンク