『海に降る』(うみにふる)は、朱野帰子の冒険小説。幻冬舎から2012年1月11日に単行本が書き下ろし小説として刊行、2015年7月21日に幻冬舎文庫が刊行された。2016年には、JTの公式WEBサイト「ちょっと一服ひろば」で、番外編「もっと深いところへ」(全5話)が公開された[3]。
2012年にNHK-FM「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化、2013年にNHK-FM「特集オーディオドラマ」でスピンオフ特番「星を掘れ!」が放送された。
2015年、WOWOWでテレビドラマ化された[4]。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」運航チームに所属する天谷深雪は、女性初のパイロット訓練生。父の北里厚志は「しんかい6500」の建造に関わった技術開発者であったが、深雪が幼い頃に両親は離婚。アメリカで再婚した厚志に深雪は何度も手紙を送るも、返事が来ることは一度もなかった。深雪は寂しさを感じていたが、「世界で一番深い海に行く船を造る」と約束した厚志を信じ、業務に勤しむ日々を送っていた。
そんなある日、深雪の前に小学生・北里陽生が突然現れる。陽生は厚志と再婚相手の息子だった。陽生の「パパ、もう日本に帰ってこないよ」という言葉に動揺した深雪は、コパイロットの昇格をかけた訓練潜航中に閉所恐怖症を発症してしまう。当然、昇格の話は白紙に。閉所恐怖症が完全に治癒するまで、「しんかい6500」への乗船は禁止されてしまう。
傷心の深雪は運航チームの飲み会で、広報課に入ったばかりの新人・高峰浩二と初めて顔を合わせる。高峰は広報課の身でありながら「しんかい6500」で深海に潜りたいと力強く語り、深雪は激怒する。実は高峰の父は深海生物学者で、一度だけ深海で目撃した未確認深海生物〈白い糸〉を長年探し続けたが見つからず、防波堤から海に落ちて亡くなっていた。高峰は父の夢を叶えるために、JAMSTECに入所したのだった。
深雪はしばらく高峰と組んで仕事をすることを命じられる。陽生と高峰に振り回されながら、深雪は自分が何のために深海に潜るのかについてもう一度考えていく。
WOWOWの「連続ドラマW 土曜オリジナルドラマ」枠にて、2015年10月10日から11月14日まで放送された。全6話[9]。主演は有村架純[10]。JAMSTECが全面協力している[11]。
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