ニューヨーク市長(ニューヨークしちょう、英語:Mayor of New York City)は、アメリカ合衆国のニューヨーク州ニューヨークの市長。ニューヨーク市憲章においてニューヨーク市政府の最高経営責任者として規定されている[1]。2022年1月現在のニューヨーク市長は、第110代エリック・アダムス(英語版)(民主党)である。
概要
ニューヨーク市長はアメリカで大統領任務に次いで「2番目にタフな(きつい)仕事」と表現されてきた[2]。何人かの歴代市長(最近ではジョン・リンゼイ及びルドルフ・ジュリアーニ)が大統領選挙に立候補したが、未だ誰も両方の地位を得た者はいない。これまで女性市長は1度も誕生していない。また黒人の市長もデイヴィッド・ディンキンズとエリック・アダムス(英語版)の二人だけで、この二人以外は全員が白人(ユダヤ人系も含む)の市長ばかりである。
ニューアムステルダムと呼ばれていた時代の1624年から1664年までは、オランダのニューネーデルラント総督がその任に当たっていた。1665年にニューヨークで市長職が誕生した当時の州知事はニューヨーク植民地のイギリス軍総督リチャード・ニコルズであり、彼によってトーマス・ウィレットが初代ニューヨーク市長として任命された。指名議会がニューヨーク州によって設立される1777年までニューヨーク市長は州知事によって指名されていた。1821年にニューヨーク市長はニューヨーク市議会(Common Councilと呼ばれていた)によって指名されるようになった。さらに1834年からは市民の直接選挙によって選ばれるようになった。
最も長く在任した市長は以下の3人である。この3人は12年(3期連続)も務めた。
なお1834年以降で最も短い在任期間は以下の2人である。
以下の一覧は1965年の初代市長から記してあり、ニューヨーク市の領土が現在よりも小さかった時代の市長も含んでいる。1874年以前はマンハッタン島以外にニューヨーク市の領土はほとんど無かった。1898年にブロンクス区に当たる領土を併合し、1898年に五つの行政区(マンハッタン区・ブルックリン区・クイーンズ区・ブロンクス区・スタテンアイランド)が合併して現在と同じ領土となった。ニューヨーク市の歴史も参照して欲しい。
17世紀
- リチャード・ニコルズ 1664年 - 1665年
- トーマス・ウィレット 1665年 - 1666年
- トーマス・デラバル 1666年 - 1667年
- トーマス・ウィレット 1667年 - 1668年
- コーネリアス・ヴァン・スティーンウィック 1668年 - 1671年
- トーマス・デラバル 1671年 - 1672年
- マティアス・ニコル 1672年 - 1673年
- ジョン・ローレンス 1673年 - 1675年
- ウィリアム・ダーバル 1675年 - 1676年
- ニコラス・デ・メイヤー 1676年 - 1677年
- ステファヌス・ヴァン・コートランド 1677年 - 1678年
- トーマス・デラバル 1678年 - 1679年
- フランシス・ロンバウツ 1679年 - 1680年
- ウィリアム・ダイアー 1680年 - 1682年
- コーネリアス・ヴァン・スティーンウィック 1682年 - 1684年
- Gabriel Minvielle(*)1684年 - 1685年
- ニコラス・ベイヤード(英語版)(*)1685年 - 1686年
- ステファヌス・ヴァン・コートランド 1686年 - 1688年
- ピーター・デラノイ 1688年 - 1691年
- ジョン・ローレンス(*) 1691年 - 1692年
- Abraham DePeyster 1692年 - 1694年
- チャールズ・ロドウィック 1694年 - 1696年
- ウィリアム・メリット 1696年 - 1698年
- ヨハネス・デ・ペイスター 1698年 - 1699年
- デイビッド・プロボスト 1699年 - 1700年
18世紀
- アイザック・デ・ライマー 1700年 - 1701年
- トーマス・ノエル 1701年 - 1702年
- トーマス・フッド 1702年
- フィリップ・フレンチ 1702年 - 1703年
- ウィリアム・パートリー 1703年 - 1707年
- Ebenezer Wilson 1707年 - 1710年
- ヤコブス・ヴァン・コートランド 1710年 - 1711年
- ケイレブ・ヘスコット 1711年 - 1714年
- ジョン・ジョンストン 1714年 - 1719年
- ヤコブス・ヴァン・コートランド 1719年 - 1720年
- ロバート・ウォルターズ 1720年 - 1725年
- ヨハネス・ヤンセン 1725年 - 1726年
- ロバート・ラーシング 1726年 - 1735年
- ポール・リチャード 1735年 - 1739年
- ジョン・クルーガー 1739年 - 1744年
- ステファン・ベイヤード 1744年 - 1747年
- エドワード・ホランド 1747年 - 1757年
- ジョン・クルーガー・ジュニア 1757年 - 1766年
- ホワイトヘッド・ウィックス 1766年 - 1776年
- デイヴィッド・マシューズ 1776年 - 1784年
- ジェイムズ・デュアン 1784年 - 1789年
- リチャード・ヴァリック 1789年 - 1801年
19世紀
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- エドワード・リヴィングストン 1801年 - 1803年
- デウィット・クリントン 1803年 - 1807年
- マリナス・ウィレット 1807年 - 1808年
- デウィット・クリントン 1808年 - 1810年
- ジェイコブ・ラドクリフ 1810年 - 1811年
- デウィット・クリントン 1811年 - 1815年
- ジョン・ファーガソン 1815年
- ジェイコブ・ラドクリフ 1815年 - 1818年
- Cadwallader D. Colden 1818年 - 1821年
- ステファン・アレン 1821年 - 1824年
- ウィリアム・ポールディング・ジュニア 1825年 - 1826年
- フィリップ・ホーン 1826年 - 1827年
- ウィリアム・ポールディング・ジュニア 1827年 - 1829年
- ウォルター・ブラウン 1829年 - 1833年
- ギデオン・リー 1833年 - 1834年
- コーネリウス・ヴァン・ウィック・ローレンス 1834年 - 1837年
- アーロン・クラーク 1837年 - 1839年
- イサーク・ヴァリアン 1839年 - 1841年
- ロバート・モリス 1841年 - 1844年
- ジェームズ・ハーパー 1844年 - 1845年
- ウィリアム・ハブマイヤー 1845年 - 1846年
- アンドリュー・H・ミックル 1846年 - 1847年
- ウィリアム・ブレイディ 1847年 - 1848年
- ウィリアム・ハブマイヤー 1848年 - 1849年
- Caleb Smith Woodhull 1849年 - 1851年
- アンブローズ・キングズランド 1851年 - 1853年
- ジェイコブ・ウェスターベルト 1853年 - 1855年
- フェルナンド・ウッド 1855年 - 1858年
- Daniel F. Tiemann 1858年 - 1860年
- フェルナンド・ウッド 1860年 - 1862年
- ジョージ・オプダイク 1862年 - 1864年
- チャールズ・ガンサー 1864年 - 1866年
- ジョン・T・ホフマン 1866年 - 1868年
- トーマス・コーマン(**)1868年
- アブラハム・ホール 1869年 - 1872年
- ウィリアム・ハブマイヤー 1873年 - 1874年
- サミュエル・ヴァンス(**)1874年
- ウィリアム・H・ウィッカム 1875年 - 1876年Democratic
- スミス・エリー・ジュニア 1877年 - 1878年Democratic
- エドワード・クーパー 1879年 - 1880年Democratic
- ウィリアム・ラッセル・グレース 1881年 - 1882年
- フランクリン・エドソン 1883年 - 1884年Democratic
- ウィリアム・ラッセル・グレース 1885年 - 1886年
- エイブラム・ヒューイット 1887年 - 1888年Democratic
- ヒュー・L・グラント 1889年 - 1892年
- トーマス・フランシス・ギルロイ 1893年 - 1894年Democratic
- ウィリアム・L・ストロング 1895年 - 1897年 Fusion
- ロバート・ヴァン・ウィック 1898年 - 1901年 Democratic
20世紀
21世紀
脚注
- ^ New York City Charter Chapter 1, Section 3. "The mayor shall be the chief executive officer of the city."
- ^ Popik, Barry. ""'Second toughest job in America' (nyc mayor)" The Big Apple (December 31, 2007) (see the list of references from reliable sources in the entry)
関連項目
外部リンク