正法寺(しょうほうじ)は、滋賀県大津市にある真言宗醍醐派の寺院[1]。山号は岩間山。本尊は千手観世音菩薩。開山は加賀国白山を開いた泰澄(たいちょう)である[1]。別称は岩間寺(いわまでら)[1]。西国三十三所第12番札所。正法寺は、11番上醍醐の東方約4キロ、13番石山寺の南西約4キロ、滋賀県と京都府との府県境の一部をなす岩間山(標高443m)南麓の標高390m辺りに位置する。
- 本尊真言:おん ばざら たらま きりく そわか
- ご詠歌:水上(みなかみ)はいづくなるらん岩間寺 岸打つ波は松風の音
歴史
当寺の縁起によれば、元正天皇の病気平癒祈願に功のあった泰澄が、養老6年(722年)に岩間山中の桂の大樹から千手陀羅尼を感得し、その桂の木で等身の千手観音像を刻み、天皇の念持仏である金銅千手観音像をその胎内に納めて祀った。こうして元正天皇の勅願寺として当寺は創建されたという[2]。
後白河天皇・後宇多天皇・正親町天皇の尊崇が篤く、熊野や吉野に並ぶ日本三大霊場の一つとして隆盛したという[2]。
本尊の金銅千手観音立像は、上述の元正天皇の念持仏で当初の本尊の胎内仏とされたもの。像高は4寸8分(約15cm)。現在は本堂の三重の厨子に納められ、秘仏とされている。毎夜日没時に厨子を抜け出て百三十六地獄を駆け巡って人々を救済し、日の出とともに岩間山へ戻る際には汗みずくとなっているといわれ、「汗かき観音」とも呼ばれている。1990年(平成2年)に365年ぶりに開扉されたほか、2009年(平成21年)から2010年(平成22年)にかけて花山法皇一千年忌を記念した「西国三十三所結縁御開帳」の際にも開扉された[3]。
長年縁日を毎月17日としてきたが、2022年8月より毎月第3日曜日に変更した。
境内
文化財
重要文化財
大津市指定有形文化財
年中行事
以下については2022年8月以前の内容である。最新の予定は寺に確認のこと。
- 元旦 修正会、福茶接待
- 1月17日 初観音、甘酒接待、不動護摩、写経会
- 4月17日 雷除け法要、柴灯護摩供
- 5月17日 ぼけ封じ祈願会、焙烙灸、もちまき、柴灯護摩供火渡り式
- 8月17日 施餓鬼会、不動護摩
- 9月17日 千日会、柴灯護摩
- 10月17日 ぼけ封じ祈願会、焙烙灸、もちまき、柴灯護摩供火渡り式
- 11月17日 万体観音供養会、柴灯護摩供
- 12月17日 終観音、ぼけ封じ健康長寿大根焚き
- 毎月17日 縁日、写経会、不動護摩
前後の札所
- 西国三十三所
- 11 醍醐寺(上醍醐・准胝堂) - 12 岩間寺正法寺 - 13 石山寺
- ぼけ封じ近畿十楽観音霊場
- 3 勝龍寺 - 4 岩間寺正法寺 - 5 玉桂寺
- びわ湖百八霊場
- 1 石山寺 - 2 岩間寺正法寺 - 3 龍音寺
所在地
アクセス
公共交通機関
- 寺の縁日である毎月17日は石山駅から山上までシャトルバスが運行されていた。寺による貸切運行のため運賃は無料であった。寺の縁日変更に伴い「当分の間運休」となっている。
- ※帰路は石山寺山門前で下車することもできるが、後続便への再乗車はできない。
自動車
脚注
注釈
出典
外部リンク