極楽寺(ごくらくじ)は愛知県名古屋市にある単立の寺院[1]。山号は教報山、本尊は阿弥陀如来坐像で[1]恵心僧都の作と伝わる。正式には教報山 一心院 極楽寺と称する。
歴史
元々は尾張国葉栗郡極楽寺村にあって、長承年間(1132年 - 1135年)良忍の創建と伝わり[1]、当初は大念仏宗の寺であった[2]。法然が滞在したこともあるとされるこの寺は、天文元年(1532年)8月に木曽川で発生した洪水によって流失[1]。慶長年間に空朔教意によって再興され、慶長9年(1604年)の秋に現在地へ移された[1][2]。文政2年(1819年)には「圓光大師安居遺跡の碑」が山門前に建立され[1]、これは2020年現在も現存する。
近代
明治期には本堂の他、庫裏や書院、座敷や茶室、地蔵堂、鐘楼などがあり、清須越しとされる山門もあった[1]。2020年現在では本堂以外の建物は無く、かつての境内地の多くは商業地などに利用されているほか、一部は市道になっている。2021年に浄土宗西山禅林寺派から単立寺院となった。
参考文献
- 名古屋市役所、『名古屋市史 社寺編」、1915年7月20日
- 堀由蔵『大日本寺院総覧 下巻』名著刊行会、1966年12月10日
脚注
- ^ a b c d e f g 社寺編、pp.774 - 777
- ^ a b 下巻(1966年)、P.1333