『月刊コミックラッシュ』(げっかんコミックラッシュ、COMIC RUSH)は、日本の出版社・ジャイブが2004年1月から2011年1月まで発行していた月刊漫画雑誌。2011年3月号をもって紙媒体での発行を終了し、2011年4月号から2014年4月号まで同名のウェブコミック配信サイトおよびスマートフォン向け電子出版の形で発行された[1]。
概要
2004年1月26日、タカラ(当時、現在のタカラトミー)系列の出版社として設立されたジャイブより創刊。掲載作の単行本はCR COMICSとして毎月7日に発売される。2004年から2006年にかけて起こった、「漫画雑誌創刊ラッシュ」の一番手だった。
紙媒体の雑誌としての発行は2011年1月26日発売の3月号を以て終了し、同年3月1日(4月号)より有料のウェブコミック配信サイト・電子書籍での発行へ全面移行した。ウェブコミック・電子書籍版の価格は450円[2]、対応OS・端末はWindows(Adobe Flashの最新バージョンをインストール)およびMacintosh(同上)、iPhone/iPad/iPod touch(iOS 3.2以降)、Android(2.1以降)搭載スマートフォンとなっている[1]。なお、既存の漫画雑誌が紙媒体から有料のウェブコミック配信サイト・電子書籍へ完全に移行する事例は、日本では本誌が最初とされる[2]。無料配信の場合は当誌以前に、『月刊少年ブラッド』を継承したフレックスコミックスの『FlexComixブラッド』やメディアファクトリーの『コミック三国志マガジン』(現『コミックヒストリア』)など複数の事例が存在する。
誌面の特徴
創刊当初はメディアミックス作品に力を入れており、アニメやゲームからの漫画化作品が誌面に占める割合が大きかった。『ギャラクシーエンジェル』などの当時、タカラグループだったブロッコリーの作品や『ラグナロクオンライン』などのタカラ提携先であるガンホー・オンライン・エンターテイメントの作品を始めとする、キャラクターコンテンツを元にした連載が行われていた。
発行元のジャイブが2006年4月にタカラトミーからポプラ社の傘下となって以降、紙質の向上やポプラ社の『プレコミックブンブン』と共に『くわがたツマミ』(原案:ラレコ)を連載するなどの変化が見られる。一時期、減少傾向にあったメディアミックス作品の掲載は2009年頃より再び増加傾向にあり、創刊号から連載されている筧秀隆『となグラ!』が2006年にアニメ化したのを皮切りに本誌オリジナル連載のメディアミックスにも力を入れている。
この他、創刊当初より『はっぴぃセブン』『世界征服物語』などの集英社・スーパーダッシュ文庫刊のライトノベル作品を原作とする漫画が多かったが、集英社が『ジャンプスクエア』を創刊した2007年11月前後より掲載されなくなった。なお、ジャイブと集英社に資本関係は無い。
少年誌のため、掲載作品には原則として漢字にルビが振られている。ただし、例外として増刊『栗本薫 THE COMIC』から本誌に移籍し、2010年6月号まで連載された『グイン・サーガ』のみ本誌掲載時・単行本のいずれもルビが振られていなかった。
2006年8月号から2009年4月号まで「ラッシュキャラクターセレクション」としてオリジナルイラストの下敷きが付録になっていた。2009年5月号から2011年1月号までは、後継企画「ラッシュカレンダーコレクション」としてカレンダー付きの両面カラーピンナップを綴じ込み付録にしていた。
2012年7月号以降、連載が『ゴッドバード 第2部』と『ヘタレ姉。』の2作品のみになり、2014年3月1日発売2014年4月号で看板作品であった『ゴッドバード』が完結、同時に2014年3月31日で休載となっていた他作品は再開するなく全てのサービスが終了となった。終了後の会員ポイントの返金は行われず、当該作品の配信についてはeBookJapanで継続される。
連載作品
2020年12月号現在。
- 雑誌オリジナル
-
- メディアミックス
-
連載終了作品
- 雑誌オリジナル
-
- メディアミックス
-
- リメイク
-
- シリーズ連載
-
- 読者コーナー掲載の4コマ
- いずれもカット扱いのため、目次には記載されていない。
映像化
テレビアニメ
作品
|
放送年
|
アニメーション制作
|
備考
|
となグラ!
|
2006年
|
童夢
|
|
増刊
雑記
- 2005年10月号には武田ゆういちの読み切り『地球防衛課 栞ちゃん』が掲載予定だったが、作者が急逝したため掲載できなかったとの編集部名義の訃報が10月号の目次ページに掲載された。
- 「ラッシュキャラクターセレクション」のオリジナルイラスト下敷き第1弾は、堀部秀郎だった。雑誌発売直前の2006年6月17日に急性心不全で死去していたことが同年7月に判明したため、この下敷きが事実上の遺作となった。
脚注
外部リンク