『嵐が丘』(あらしがおか、原題: Wuthering Heights)は、1939年のアメリカ合衆国の恋愛映画。1950年に大映洋画部が配給した際の邦題は『嵐ヶ丘』である。その後、1966年の日比谷みゆき座など、東宝系での再公開時に『嵐が丘』となる。監督はウィリアム・ワイラー、出演はマール・オベロンとローレンス・オリヴィエなど。原作はエミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』。オリヴィエのアメリカ映画第1作として知られる。第12回アカデミー賞で撮影賞(白黒作品)を受賞している。
この時期のユナイテッド・アーティスツ作品には珍しく版権が売却されなかったことから、現在も、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(UAの後継)が版権を保有する。2007年には、「文化的、歴史的、美術に重要」としてアメリカ国立フィルム登録簿に選ばれた。
ストーリー
吹雪で道に迷ったロックウッドは、「嵐が丘」と呼ばれる館に辿り着き、一夜の宿を乞うた。陰気な館には主人のヒースクリフと妻のイザベラが使用人たちと暮らしていた。その夜、ロックウッドは破れた窓の外からヒースクリフを呼ぶ女の声を聞いた。それを知ったヒースクリフは、「キャシー!」と叫んで吹雪の戸外へ飛び出して行った。取り残されたロックウッドは、館の家政婦エレンから、「嵐が丘」にまつわる過去の悲劇を聞くことになった。
「嵐が丘」の元の持ち主だったアーンショーは慈悲深い男で、貧しい孤児を保護し、ヒースクリフと名付けて実子同然に育てた。アーンショーの娘キャシーはヒースクリフを愛したが、跡取り息子であるヒンドリーは彼を憎み、父の死後は館の馬丁として酷使した。
成長したキャシーは上流階級に憧れ、裕福なエドガー・リントンに求婚されて有頂天になった。キャシーは本心ではヒースクリフを愛しており、承諾の返事も思い止まったのだが、そうと知らないヒースクリフは館を飛び出し、行方をくらました。
キャシーがエドガーと結婚した後に、ヒースクリフは成功した裕福な紳士として戻って来た。復讐を誓ったヒースクリフは、まず、ヒンドリーの借金を肩代わりすることで「嵐が丘」の当主の座を手に入れた。ヒースクリフは次にエドガーの妹イザベラと結婚し、同時にキャシーに愛を語り続けた。悩み苦しんだキャシーはやがて生きる気力を失い、亡くなった。
エレンの話が終る頃、医師のケネスが「嵐が丘」に駆けつけた。ケネスは吹雪の荒野でヒースクリフと女の二人連れを見たのだが、追いつくとヒースクリフが一人で死んでいたというのだ。幽霊ではないと語るエレン。愛し合うヒースクリフとキャシーは、時の隔たりを超えてようやく一緒になったのだった。
キャスト
- NHK版:初回放送1971年12月31日『劇映画』[1]
スタッフ
主な受賞歴
アカデミー賞
- 受賞
- アカデミー撮影賞 (白黒部門):グレッグ・トーランド
- ノミネート
- アカデミー作品賞:サミュエル・ゴールドウィン・プロダクションズ(英語版)
- アカデミー監督賞:ウィリアム・ワイラー
- アカデミー主演男優賞:ローレンス・オリヴィエ
- アカデミー助演女優賞:ジェラルディン・フィッツジェラルド
- アカデミー脚色賞:ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー
- アカデミー作曲賞:アルフレッド・ニューマン
撮影中のエピソード
本作で主役を演じたオリヴィエとオベロンは、両名ストレスでイライラしており終始いがみ合っていた。オベロンは「オリヴィエが大嫌いだ。キス・シーンなんて想像するだけでゾッとする」と漏らしており、オリヴィエは「オベロンが気に入らない。彼女がどうしたこうした」とロンドンの舞台に立っていた愛人のヴィヴィアン・リーに手紙で愚痴もこぼしていた[要出典]。
それを読んだヴィヴィアンはいたたまれなくなり、舞台をすっぽかして大西洋航路の客船に飛び乗り、大陸横断鉄道や航空路を経由して、ロサンゼルスへやって来た。また、その頃『風と共に去りぬ』が、主役であるスカーレット・オハラ役の女優が決まっていないままアトランタの火災シーンから撮影が開始された。しかし、製作者の弟であるプロダクション・マネージャーが撮影現場の見物人の1人であったヴィヴィアンの炎に赤く輝く横顔を見て「スカーレットは決まりだ!!」と直感し、思わぬ形でヴィヴィアンは大作の主役に抜擢された[要出典]。
出典
外部リンク
|
---|
1920年代 |
- The Crook Buster (1925)
- The Gunless Bad Man (1926)
- Ridin' for Love (1926)
- The Fire Barrier (1926)
- Don't Shoot (1926)
- The Pinnacle Rider (1926)
- Martin of the Mounted (1926)
- 稲妻の男 (1926)
- 戦友のために (1926)
- The Two Fister (1927)
- Kelcy Gets His Man (1927)
- Tenderfoot Courage (1927)
- The Silent Partner (1927)
- 新時代 (1927)
- Shooting Straight (1927)
- Galloping Justice (1927)
- The Haunted Homestead (1927)
- 名馬と名騎士 (1927)
- The Lone Star (1927)
- The Home Trail (1927)
- Gun Justice (1927)
- The Phantom Outlaw (1927)
- The Square Shooter (1927)
- The Horse Trader (1927)
- Daze of the West (1927)
- The Border Cavalier (1927)
- Desert Dust (1927)
- Thunder Riders (1928)
- 君を尋ねて三千里 (1928)
- 仮の塒 (1929)
- 恋のからくり (1929)
|
---|
1930年代 | |
---|
1940年代 | |
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
カテゴリ |
|
---|
1935–1940 | |
---|
1941–1960 | |
---|
1961–1980 | |
---|
1981–2000 | |
---|
2001–2020 | |
---|
2021–現在 | |
---|