小倉 斉(おぐら ひとし、1951年[1]5月[2] - )は、日本の日本文学研究者。専門は森鷗外をはじめとした近現代文学[3]。学位は、文学修士(早稲田大学)。元愛知淑徳大学文学部国文学科教授。
経歴
岐阜県出身[2]。1974年、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業[2]、1977年、早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了(文学修士)[2]。岐阜県立高校教員を経て[2]、1983年、愛知淑徳短期大学専任講師[2]。1988年、同短期大学国文学科助教授[2]、1993年同教授[2]。1998年、愛知淑徳大学文学部国文学科教授[2]。2022年、同大学を定年退職[3]。
愛知県の10年経験者教員研修をはじめとして[2]、「名古屋市教員育成指標等に係るあり方懇親会」委員や「愛知県教員の資質向上に関する指標策定等協議会」委員などを歴任し[2]、愛知県の教育行政に貢献した。
著作リスト
著書
単著
編纂書
- 2003年12月『夜窓鬼談』(石川鴻斎著、高柴慎治との共編著、春風社)[注釈 1]
- 2005年9月 「轆轤首」(小倉訳)が『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』(東雅夫編, 小学館文庫)に再録。
- 2009年8月 「驚狸」(小倉訳)が『文豪てのひら怪談』(東雅夫編, ポプラ文庫)に再録。
共著
- 1982年『資料による近代日本文学 論説・評論・隨想』(共著、明治書院)―担当部分:「井尻正二・板坂元」
- 1992年『民友社文学・作品論集成』(共著、三一書房)―担当部分:「新聞記者之十年間(平田久)」
- 1997年『講座森鴎外2 鴎外の作品』(共著,新曜社) ―執筆部分:「「三人冗語」「雲中語」の森鴎外−《合評》形式の意味をめぐって」[4]。
- 1997年『森鴎外『スバル』の時代』(共著,双文社出版) ―執筆部分:「明治四二年の鴎外一面−小説の方法への模索−」
- 2001年『森鷗外論集 出会いの衝撃』(共著,新典社) ―執筆部分:「《合評》という名のドラマ「三人冗語」」
- 2002年『20世紀の戯曲Ⅱ 現代戯曲のの展開』(共編、社会評論社)―担当部分:「真船豊「中橋公館」」
- 2012年7月『森鷗外小倉時代の業績 森鷗外生誕150年記念』(共著, 北九州森鷗外記念会) ―執筆部分:「小倉時代における森鷗外の一面」
- 2014年7月『森鴎外と美術』(共著, 双文社出版) ―執筆部分:Ⅲ 人と制度「森鴎外と久米桂一郎」
- 2021年1月 『森鷗外宛書簡集 文京区立森鷗外記念館所蔵 3 (う-お編)』(共調査・共著, 文京区立森鷗外記念館企画・編集) ―執筆:「鷗外宛書簡に見る出会いのドラマI―魯庵・紅葉と鷗外の文人的交響―」「鷗外宛書簡に見る出会いのドラマII―鷗外・愕堂の心理的共鳴―」
雑誌等掲載 主要論文
森鷗外関係
- 1980年5月 「鴎外――初期文学評論活動の一側面」(『文藝と批評』44)
- 1981年4月 「文学者鷗外の出発―「小説論」発表の意図をめぐって」(『信州白樺』[注釈 2]41・42合併号)
- 1981年11月 「『青年』論―構造上の破綻をめぐって―」(『文藝と批評』46)
- 1983年7月 「鷗外と廃娼問題」(『信州白樺』53・54・55合併号)
- 1983年12月 「「文学と自然」論争における鷗外―「『文学ト自然』ヲ読ム」の残した課題―」(『淑徳国文』25)
- 1994年2月 「明治文学における《浦島説話》の再生―露伴、鷗外、逍遙を中心に(一) ―」(『淑徳国文』35)
- 1999年6月 「『高瀬舟』を読む―庄兵衛の眼差しが捉えたもの―」(『月刊国語教育』)
- 1998年6月 「森鴎外と1910年代」(口頭発表,日本社会文学会1998年度春季大会 於早稲田大学)
- 2012年12月 「小倉時代における森鴎外の一面」(『森鴎外 小倉時代の業績』北九州森鴎外記念会/編)
- 2013年3月 「《合評》という名の文芸時評――『めさまし草』『藝文』『萬年艸』における森鷗外」(『愛知淑徳大学国語国文』36)
- 2019年5月 『国文学年次別論文集 近代2平成25(2013)年』(学術文献刊行会/編集、朋文出版)収録
ほか
澁澤龍彦関係
- 2002年3月 「『唐草物語』の中の「私」」(『愛知淑徳大学論集—文学部・文学研究科篇—』27)
- 2005年3月 「「ぼろんじ」(『ねむり姫』所収)を読む-<超越>に向かう旅-」(『愛知淑徳大学論集-文学部・文学研究科篇-』30)
- 2008年3月 『国文学年次別論文集 近代4平成17(2005)年』(学術文献刊行会/編集、朋文出版)収録
- 2007年3月 「『六道の辻』と「マカベ」、あるいは「マカベ踊」」(『愛知淑徳大学国語国文』30)
- 2008年5月 「澁澤龍彦、没後二〇年目の再生」(『日本近代文学』78)
- 2017年3月 「「女体消滅」論――物体から形象へ」(『愛知淑徳大学論集 文学部・文学研究科篇』42)
- 2017年3月 「澁澤龍彥『ねむり姫』を読む」(『愛知淑徳大学国語国文』40)
- 2021年3月 「『高丘親王航海記』を読む――澁澤龍彥の最後の旅を追って」(『愛知淑徳大学論集 文学部・文学研究科篇』46別冊)
その他
- 1976年 「谷崎潤一郎の探偵小説・犯罪小説」(『近代文学 研究と資料』2)
- 1997年2月 「倉橋由美子論-《妖女》から《老人》へ-」(『淑徳国文』38)
- 2001年3月 「『草枕』を読む―作中のポリフォニー性と<画>の成就」(『愛知淑徳大学国語国文』24)
- 2003年12月 『国文学年次別論文集 近代2平成13(2001)年』(学術文献刊行会/編集、朋文出版)収録
- 2001年9月 「「ローカルカラー」という名の描写」(『徳田秋聲全集』第2期第24巻〈月報24〉八木書店)
- 2005年8月 「『夜窓鬼談』の物語世界」(『新日本古典文学大系・明治編)』第三巻「漢文小説集」〈月報18〉岩波書店)
- 2014年3月 「『妖婆』論-芥川龍之介の〈神〉、その黒い微笑-」(『愛知淑徳大学論集—文学部・文学研究科篇—』39)
- 2014年3月 「世界が眠ると言葉が眼を覚ます―詩人・寺山修司の〈言葉〉―」(『愛知淑徳大学大学院文化創造研究科紀要』1)
- 2021年3月 「龍膽寺雄の挑戦―「放浪時代」を中心に―」(『愛知淑徳大学大学院文化創造研究科紀要』8)
所属学会
脚注
注釈
- ^ 上巻現代語訳、註および解説「石川鴻斎とその時代」を執筆。
- ^ 名古屋市で発行された季刊教育誌。『白樺』の後継誌のひとつ。『白樺』編集に参加した宮坂榮一(1902 - 1986)によって1971年3月創刊。1990年5月終刊。
出典
- ^ 『夜窓鬼談』(春風社、2003年12月)著者経歴より。
- ^ a b c d e f g h i j k 「小倉斉教授 略歴・研究業績」『愛知淑徳大学国語国文』第45巻、愛知淑徳大学国文学会、2022年3月、3-12頁。
- ^ a b 竹内瑞穂「小倉斉先生をお送りする」『愛知淑徳大学国語国文』第45巻、愛知淑徳大学国文学会、2022年3月、1-2頁。
- ^ 小倉斉「「文学と自然」論争における鷗外 : 「『文学ト自然』ヲ読ム」の残した課題」第25巻、愛知淑徳短期大学国文学会、1983年、ISSN 0287-9069、NAID 120005038520、2020年4月8日閲覧。