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前立腺（ぜんりつせん、英: prostate)は、器官の一つで、男性のみに存在する生殖器^[1]。膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むかたちで存在、精嚢が隣接。クルミほどの大きさで、正常の重さは20ml（20g）以下^[2]^[3]。女性器におけるスキーン腺に相同である。また、前立腺小室は子宮（ミュラー管の名残）と発生学上分岐した存在である^[4]^{[信頼性の低い医学の情報源？]}。

役割

前立腺の役割については、まだ解明されていない部分が多く、主な働きとしては前立腺液の分泌。精嚢から分泌された精嚢液を精巣で作られた精子と混合し精液を作り、射精における収縮や尿の排泄なども担っている。同時に、膀胱側の尿道を狭くして、精液が膀胱側にいかないように調整を行っている。

構造

内側の「内腺」と外側の「外腺」がある。最近は移行ゾーン（内腺）・中心ゾーン（内腺）・辺縁ゾーン（外腺）と分類されることもある。

前立腺小室（男性子宮）

→「子宮 § 男性子宮（前立腺小室）」を参照

疾患

癌

前立腺がんは、英国、米国、北欧、オーストラリアにおいて、高齢男性が罹患する最も一般的ながんのひとつであり、世界的にみても高齢男性の主要な死因のひとつである^[5]^[6]。多くの場合、男性には症状がない。症状が現れた場合には、排尿の増加、尿意切迫感、尿閉、前立腺肥大症に伴うその他の症状が含まれる。まれに、これらのがんが前立腺外に転移した転移性病変のために、体重減少、尿閉、背部痛などの症状を引き起こすことがある。

炎症

前立腺炎は前立腺の炎症である。細菌感染やその他の非感染性の原因によって引き起こされることがある^[7]^[8]。前立腺の炎症は、排尿痛や射精痛、鼠径部の痛み、排尿困難、発熱や疲労感などの全身症状を引き起こすことがある。前立腺が炎症を起こすと肥大し、直腸指診で触ると痛みを感じるようになる^[9]。前立腺の炎症は不妊に影響する^[10]^[11]。感染症の原因菌は、尿培養によって検出することができる。

前立腺肥大

前立腺の肥大は前立腺肥大症と呼ばれ、前立腺肥大症（BPH）は前立腺肥大症の最も一般的な原因である^[12]^[13]。BPHは、前立腺を構成する細胞数の増加（過形成）による前立腺の肥大であり、悪性疾患以外が原因である。これは高齢の男性によく見られる症状である。排尿が困難になるほど前立腺が肥大すると、しばしば診断される。症状には、頻尿（急激な尿意）や尿閉（排尿困難）がある^[14]^[15]。