レイスウェイク条約(英: Treaty of Ryswick, 仏: Traité de Ryswick, 蘭: Vrede van Rijswijk)は、1697年9月20日にオランダのレイスウェイクで締結された国際条約。
1688年に勃発した大同盟戦争(アウクスブルク同盟戦争、プファルツ継承戦争)を終結させた。この条約で1679年のナイメーヘン条約以降に占領された地域の回復を基本的に定めた。
内容
条約締結によってルイ14世のフランスはストラスブールとサンドマング(現在のハイチ)を獲得し、南インドのポンディシェリとカナダのノヴァスコシアを回復した。
スペインはフランスに占領されたカタルーニャとルクセンブルクなどの地域を回復し、長くフランス領だったロレーヌ公国は一旦神聖ローマ帝国の封土としてロレーヌ公レオポルトに返還された。
イングランドは領土的に得たものはないが、ルイ14世はウィリアム3世をイングランド王と認め、名誉革命によってフランスに亡命していたジェームズ2世を今後援助しないことを約束した[注釈 1]。
スウェーデンは、プファルツ家の継承地プファルツ=ツヴァイブリュッケン公領(帝国封土)をフランスより主権奪回した。
プファルツ選帝侯はフィリップ・ヴィルヘルムの息子ヨハン・ヴィルヘルムが継承、ルイ14世は義妹のエリザベート・シャルロット・ド・バヴィエールの継承権を主張しないことを約束した。
脚注
注釈
- ^ 哲学者で歴史家でもあったヒュームは、和議は1692年にすでに提議されていたのに、イギリス人はその頑迷と激情のために受け入れることができず機を逸したと評している[1]。
出典
- ^ D・ヒューム『市民の国について(上)』岩波文庫、1982年、P.29頁。
関連項目
外部リンク