ドーソンは、「アメリカ合衆国の民間伝承の父 (father of American folklore)[2]」とか、「民間伝承研究の大きな推進力 (the dominant force in the study of folklore)[3]」などと称された。ドーソンによれば、研究とは、「論争者、批判者、現場における収集者、図書館における学究 (polemicist, critic, field collector, library scholar)」といったいくつもの役割に関わる営為であった[4]。ドーソンはまた、「今日(1976年当時)、アメリカ合衆国において、民俗学ほど誤解されている学問分野はない (no subject of study in the United States today [1976] is more misunderstood than folklore)」とも書き記していた[5]。
ドーソンは、その後の民俗学/民間伝承研究において一般的に用いられるようになった2つの用語を生み出した。そのひとつは、現代において「実際には決して起こっていないのに、事実として語られる話 (story which never happened told for true)」を意味する「都市伝説」である[6]。もうひとつは、ジェームズ・スティーヴンスとの論争の中で生み出された「フェイクロア」である[7]。ドーソンは、スティーヴンスの著書『ポール・バニヤン』や、その後に書かれたベンジャミン・A・ボトキン(英語版)の著作などを「フェイクロア」すなわち「本物の口承伝統だと主張するが、その実、大衆向けにもろもろ調整された合成物 (a synthetic product claiming to be authentic oral tradition but actually tailored for mass edification)」であり、「民衆を誤解させ、騙すもの (misled and gulled the public)」だとして否定した[7]。ドーソンのフィールドワークは、ミシガン州のアフリカ系アメリカ人の民間伝承や、ミシガン州アッパー半島の民間伝承をはじめ、合衆国各地の地域的民間伝承、日本の民間伝承、その他の主題に及んだ。学術的業績に対して、ドーソンは、1946年にアメリカ文明史分野におけるアメリカ議会図書館賞を贈られ、グッゲンハイム・フェローに3度選ばれた(1949年、1964年、1971年)。2003年、ミネソタ州立大学は、「ヘリテッジ賞 (Heritage Award)」をドーソンに追贈した[3]。
ドーソンによる収集資料
ドーソンに関連する資料は、インディアナ大学のリリー図書館に収蔵されている[1]。フィールドワークで集められた音源は、インディアナ大学の伝統音楽アーカイブ (the Archives of Traditional Music) に所蔵されている。
おもな著作
ドーソンは、著作の執筆に加え、1963年から1979年まで、シカゴ大学出版局から出版された『Folktales of the World』シリーズの編集作業にもあたっていた。