『ラ・ベッラ』は1853年にドイツの芸術家で美術史家のヨハン・ダーフィト・パサヴァン(英語版)によってパルマ・イル・ヴェッキオに帰属された[4]。ローマのコロンナ家のコレクションに所蔵されていたときティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品とされていた。実際に過去には「ティツィアーノの美女」(la bella de Tiziano)として知られていた[1][3]。これは『ラ・ベッラ』の女性像がボルゲーゼ美術館所蔵の『聖愛と俗愛』(Amor sacro e Amor profano)の女性像の1人と類似していたことに基づいている[3]。パルマ・イル・ヴェッキオの女性像はティツィアーノの寓意的絵画に由来している。同様の女性像は他の作品『扇を持った青いドレスの女性』(Giovane donna in abito blu con ventilatore)でも見ることができる。宝石箱や女性の髪に手を触れる身振りといった絵画のいくつかの要素は、おそらく絵画の主題がヴァニタス(ラテン語で空虚や虚栄の意)であることを仄めかしている。画面右上隅の裸の男性を踏みつけた騎馬像の浮彫りについても、やはり虚栄について言及しているか、あるいは画家の古典的趣味の表れなど様々に解釈されている[3]。