マートル・アベニュー駅(マートル・アベニュー - ブロードウェイ駅とも)はニューヨーク市地下鉄BMTジャマイカ線の急行停車駅である。ブルックリンのマートル・アベニュー - ブロードウェイ交差点にあり、J系統およびM系統が終日、Z系統がラッシュ時の混雑方向に運行されている。二層構造の高架駅であるが、客扱いが行われているのは下層ホームのみである。上層ホームはBMTマートル・アベニュー線のもので、かつてはブルックリン橋経由でダウンタウン・ブルックリンおよびロウアー・マンハッタンまで運行されていたが、当駅からマンハッタン側の区間は廃止されている。駅のすぐ東にはBMTマートル・アベニュー線とBMTジャマイカ線を結ぶ渡り線が設けられている。
駅構造
下層ホーム
下層ホームは1888年9月16日に開業した2面3線の島式ホームである。中央の線路はJ系統・Z系統の平日ラッシュ時の急行運転と、深夜帯の当駅-ミドル・ヴィレッジ-メトロポリタン・アベニュー駅間のシャトル運行で使われる。それ以外の時間は、すべての列車が外側の緩行線を走行する。当駅より東ではJ系統・Z系統ともBMTジャマイカ線の緩行線を走ってクイーンズ区へ向かう。M系統はS字カーブでBMTマートル・アベニュー線に合流し、メトロポリタン・アベニュー駅に向かっている。この渡り線はニューヨーク市地下鉄ではほとんど見られなくなった平面交差区間で、分岐器が設けられた営業線という意味でも希少である[3][4]。この平面交差は運行上のボトルネックにもなっている。
近くにあるマートル-ワイコフ・アベニュース駅と区別するため、車内放送では「マートル・アベニュー-ブロードウェイ駅」とアナウンスされる。
グリーンに塗られた支柱とフレームで支えられた茶色の屋根が両端の一部を除いてホーム全体に架けられている。駅名標はニューヨーク市地下鉄標準の黒地に白文字のものである。
駅舎はBMTマートル・アベニュー線の高架下に設けられている。各ホームから階段でホーム下連絡通路に下り、クイーンズ方面側の短い階段を上がると駅舎の待合室に出る。改札を抜けるとトークン・ブースがあり、2本の階段でマートル・アベニュー-ブロードウェイ交差点の北東角および北西角に下りることができる。
ヴァーナ・ハート(Verna Hart)が1999年に制作した Jammin' Under the El というステンドグラス作品が駅舎やホームの標示板に掲げられている。これは音楽に関連した様々な情景を描いたものである。
上層ホーム
上層ホームは1889年4月27日にBMTマートル・アベニュー線からBMTジャマイカ線への乗換駅として開業した。上層ホームを「ブロードウェイ駅」とした看板もある。近隣にあったスタイベサント・アベニュー駅は、上層ホームの開業に伴って廃止された。1面2線の島式ホームを有し、下層の2本のホームに下りる階段が設けられている。BMTマートル・アベニュー線は1889年7月21日にマートル-ワイコフ・アベニュース駅まで延伸された[5]が、ブロードウェイ駅 - ブリッジ-ジェイ・ストリーツ駅間は1969年10月4日に廃止され、ニューヨーク市バスB54系統に置き換えられた。
注
- ^ a b M系統の「上り線」「下り線」に合わせており、実際の方向とは異なる。M系統の西行(東行)線はJ系統・Z系統では南行(北行)線となる。
- ^ 平日混雑方向の と、深夜帯ののみ使用。
参考文献
外部リンク