1979年(30歳時)撮影
1981年(31歳時)撮影
2006年(56歳時)撮影
マーク・ノップラー OBE (Mark Freuder Knopfler OBE 、1949年 8月12日 - )は、イギリス 、スコットランド のグラスゴー に生まれたミュージシャン 、ギタリスト 、ソングライター 、音楽プロデューサー 。
音楽的には、ボブ・ディラン 、J・J・ケイル 、ハンク・マーヴィン 等から強い影響を受けている[ 2] 。
ポップカルチャー 情報誌 『ローリング・ストーン 』の2003年8月号のカバーストーリー「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において第27位となった[ 3] [ 4] 。2011年の改訂版では第44位[ 5] [ 3] [ 6] 。
来歴
父は、ユダヤ系 ハンガリー人 のエルヴィーン・クノップフラー (Erwin Knopfler. 1908-1993)。建築家 であり、チェス プレーヤーとしても名を知られていた[ 注 1] 。「#サーネーム 」と「#父 」も参照のこと。母はルイーザ・マリー (Louisa Mary Laidler Knopfler [ 9] [ 10] [ 注 2] )。イギリス人 [ 10] (あるいはアイルランド 人)である。
1939年 、故郷ミシュコルツで暮らしていたエルヴィーンの家族は、ナチス の弾圧 から逃れるため、ハンガリーからオランダ を経てスコットランド のグラスゴー に移住した。第1子の長女ルース・セルマ (Ruth Selma. 1947–2020) [ 9] [ 10] 、第2子で長男のマーク・フロイダー (Mark Freuder. 1949- )、そして第3子で次男のデヴィッド (英語版 ) (David. 1952- ) の3姉弟 は、共にこの待避地で生まれている。
マークが7歳か8歳の時[ 10] 、家族はグラスゴーからイングランド 北東部の都市ニューカッスル・アポン・タイン へと転居した[ 10] 。それからしばらく経って、マークはギター を独学 で学び始めた。
リーズ大学 卒業後は新聞 記者 や教師 をしつつ複数のバンドを掛け持ちしてパブ に出入りするようになる。なお、生来左利き であるが、ギターを弾く時は右手で爪弾く。1970年代 半ばにロックバンド 「ダイアー・ストレイツ 」を結成。その後、リーダーとして活動休止までバンドを牽引し、スターダムに押し上げる。
ダイアー・ストレイツでの活動を通して、その独特のフィンガー・ピッキング 奏法によるギタープレイや、トータルな楽曲プロデュース能力が、他の多くのミュージシャンの目にとまることとなり、数多くのセッションに参加。ボブ・ディラン を筆頭に、スティーリー・ダン 、エルトン・ジョン 、スティング 、エリック・クラプトン 、ブライアン・フェリー 、ジュールズ・ホランド (英語版 ) など、数多くのミュージシャンと親交を深める。また、ほぼ同時期に映画音楽 にも参入し、『ローカル・ヒーロー 』『CAL』『プリンセス・ブライド』『ワグ・ザ・ドッグ』などを手がける。
1988年 からはダイアー・ストレイツとしての活動を一度停止し、1990年 には、ノッティング・ヒルビリーズ 名義のアルバム『ミッシング』や、チェット・アトキンス と連名のアルバム『ネック&ネック 』を発表した。
1995年 、ノップラー達はダイアー・ストレイツを解散させる。翌1996年 、ノップラーはサウンドトラック を除けば初のソロ・アルバム『ゴールデン・ハート』をリリースした。続く2枚目の『セイリング・トゥ・フィラデルフィア』は全世界で400万枚を超える大ヒットとなる。2004年 秋にはアルバム『シャングリ・ラ 』を発売。2006年 には数年来レコーディングを続けてきたカントリー 歌手 エミルー・ハリス とのデュエットアルバム『オール・ザ・ロードランニング 』の発売と、プロモーションツアーを敢行した。
その後も、『Kill To Get Crimson』(2007年 )、『Get Lucky』(2009年 )、『Privateering』(2012年 )といったソロ・アルバムを全英アルバムチャート のトップ10に送り込み[ 12] 、2015年 に発売された8作目のソロ・アルバム『Tracker』では、ソロで初、バンド時代も含めれば24年ぶりとなる全英トップ3入りを果たしている。
ディスコグラフィ
ダイアー・ストレイツ
ソロ・アルバム
スタジオ・アルバム
ゴールデン・ハート - "Golden Heart" - 1996年
セイリング・トゥ・フィラデルフィア - "Sailing to Philadelphia" - 2000年
ラグピッカーズ・ドリーム - "The Ragpicker's Dream" - 2002年
シャングリ・ラ - "Shangri-La" - 2004年
"Kill to Get Crimson" - 2007年
"Get Lucky" - 2009年
プライベティアリング - "Privateering" - 2012年
"Tracker" - 2015年
"Down the Road Wherever" - 2018年
"One Deep River" - 2024年
サウンドトラック
その他のアルバム
一族
サーネーム
"Knopfler (日本語 音写 例 : ノップラー、クノップフ ラー)" というサーネーム は、父方のもので、起源は12世紀 バイエルン 貴族 のサーネームに求められる[ 13] 。「ボタン (締め具・留め具としてのボタン)」を意味する古高ドイツ語 "knopf " (cf. wikt: Knopf ) から生じている[ 13] 。ただし、現代のドイツ語圏ではすっかり廃れており、英語圏 (多いほうから米・英 )とその次にアルゼンチン に多く分布するサーネームとなっている[ 14] 。
父
父はユダヤ系 ハンガリー人 で、その名を Erwin Knöpfler (Erwin Knopfler ) といった。人名の読み(日本語音写形)は、ハンガリー語 準拠で「エルヴィーン・クノップフラー[ 15] 」、英語準拠で「エルヴィン・ノップラー」が慣習的表記と言える。
1908年 12月2日 にハンガリー 北東部の都市ミシュコルツ で生まれ、イングランドの[資料1]ロンドン あるいは[資料2]ブリストル [ 8] で1993年 に亡くなっている。建築家 で、チェス プレーヤーとしても知られている。
エルヴィーンの父は、ブダペスト 生まれのユダヤ系ハンガリー人、ヨージェフ・クノップフラー (József Knöpfler , Joseph Knopfler ) 。1874年 生まれ。米国 マサチューセッツ州 ニューベッドフォード で1952年 に亡くなっている。
関連事象
[上]M. knopfleri の骨格図 [下]M. knopfleri の全身骨格ディスプレイ
ノップラー氏の悪竜
イギリスの学術雑誌 『ネイチャー 』の2001年 1月25日 発売号に新属 新種 の恐竜 (小型獣脚類 )が記載 された。その学名 は Masiakasaurus knopfleri 、和名 を「マシアカサウルス ・クノプフレリ (表記揺れ : ノップレリ、ほか)」というが、"knopfleri " は "Mark Knopfler " の名にちなんで命名されたもので[ 17] 、「ノップラー氏にちなんだ」「ノップラー氏にゆかりある」などといった意味をもつ献名 である。
これは、化石 発掘チームが、大好きなノップラーの音楽[ 注 3] を聴きながら作業をしていた時に限ってこの恐竜の化石が幾つも見付かり、他の音楽を聴きながら作業していた時には何も見付からなかったというエピソードに由来している[ 19] 。思いがけず恐竜の名前に採用されることとなったノップラーは、『ネイチャー』の発売前日に日刊 タブロイド紙 『ザ・サン 』の取材を受けており、ウィット に富んだ感想を述べている[ 19] 。それについては、該当項目で詳説している。
中国語 圏の分類学 では、「悪意ある恐竜」「凶暴な恐竜」などといった語意をもつ Masiakasaurus を「惡龍 」と漢訳 し、knopfleri には "Mr. Knopfler" の漢訳名である「諾弗勒氏 」の省略形「諾氏 」を当てている。このことから、Masiakasaurus knopfleri は「諾氏惡龍 (簡体字 : 诺氏恶龙 )」と綴る。ほかには「諾弗勒惡龍 (簡体字 : 诺弗勒恶龙 )」という異表記が多く見られる。
ジ・オーブ のアレックス・パターソン はこの話題を触れ、イラストも描いている[ 20] 。
脚注
注釈
出典
^ “35 Fender Stratocaster stars: part 1 ” (English). MusicRadar (英語版 ) . 2015年2月16日 閲覧。
^ a b “ローリング・ストーン誌が選ぶ最も偉大な100人のギタリストランキング ”. MUSICANDY (2014年10月18日作成、2020年8月17日更新). 2021年5月9日 閲覧。
^ Fricke, David (03 December 2010). “100 Greatest Guitarists: David Fricke’s Picks” (English). Rolling Stone (Penske Media Corporation (PMC)). https://www.rollingstone.com/music/music-lists/100-greatest-guitarists-david-frickes-picks-146383/kim-thayil-227804/ 2021年5月9日 閲覧。
^ “ローリング・ストーン誌の選ぶ最も偉大な 100人のギタリスト ”. Move & Music . Noize TV (2011年10月). 2021年5月9日 閲覧。
^ Rolling Stone (18 December 2015). “100 Greatest Guitarists” (English). Rolling Stone (Penske Media Corporation (PMC)). https://www.rollingstone.com/music/music-lists/100-greatest-guitarists-153675/ritchie-blackmore-52823/ 2021年5月9日 閲覧。
^ a b ChessScotland .
^ a b “Rest in Peace – Ruth Selma Knopfler has Died on 73 (1947 – 2020) ” (English). DireStraits blog.com (16 July 2020). 2021年5月8日 閲覧。
^ a b c d e “Mark Knopfler - Dire StraitsMark (b. 8/12/1949, Glasgow) and David Knopfler (b. 12/27/1951) < Film, the Arts, & Media ” (English). The American Hungarian Federation . Bryan Dawson. 2021年5月8日 閲覧。
^ MARK KNOPFLER | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される。
^ a b “Knopfler History, Family Crest & Coats of Arms ” (English). House of Names (HouseOfNames.com) . 2021年5月8日 閲覧。
^ “Knopfler Surname ” (English). Forebears . Forebears.io. 2021年5月8日 閲覧。
^ “Knopfler の発音 ハンガリー語 ”. Forvo . 2021年5月8日 閲覧。
^ Sampson, Carrano et Forster 2001 , p. 504, "Etymology . From masiaka (Malagasy, meaning vicious), sauros (Greek, meaning lizard) and knopferi (after singer/songwriter Mark Knopfer, whose music inspired expedition crews) ."
^ a b c Lawson, Willow (7 January 2006). “Dinosaur Named for Rock Star” (English). ABC News (ABCN) (Walt Disney Television ). https://abcnews.go.com/Technology/story?id=99049&page=1 2021年5月8日 閲覧。
^ Alex Paterson [@alexrjpaterson] (2017年3月22日). "When you see the dinosaur that got named after Mark Knopfler it makes the #DavidAttenborough shrimp seem a little bit melancholy" . X(旧Twitter) より2021年5月8日閲覧 。
参考文献
雑誌、広報、論文、ほか
関連項目
外部リンク
当事者発信
※恐竜 Masiakasaurus knopfleri の由来名となったマーク・ノップラー、その代表曲であるダイアー・ストレイツ 「マネー・フォー・ナッシング 」のミュージック・ビデオ (公式チャンネル動画)。
他者発信