プリンセス・ジュリアナ国際空港 (プリンセス・ジュリアナこくさいくうこう、英語 : Princess Juliana International Airport )は、カリブ海 のオランダ 自治領シント・マールテン (セント・マーチン島 南半部)にある国際空港 。大型旅客機がビーチ上の低空を通過して着陸することで知られている[ 1] 。
歴史
元々は1942年 に軍用滑走路として開設されたが、翌1943年 に民間空港に転用され現在に至る。空港の名称は、当時のオランダ王女ユリアナ (1948年に即位してユリアナ女王となる)に由来する。
長らく小さな旅客ターミナルでの運用が行われていたが、2006年 11月10日 に新旅客ターミナルがオープンした。
特徴
シント・マールテン(セント・マーチン島のオランダ領側)唯一の国際空港である。なお、面積88km2 のこの島の北半分はフランス 領(サン・マルタン )となっており、フランス領側には小規模なグランカーズ・エスペランサ飛行場 がある。
ワイドボディ 大型旅客機 が、エメラルドブルーのカリブ海に面するマホ・ビーチ 上空から滑走路端のビーチを高度20m-30m程度で通過しながら着陸する光景は、セント・マーチン島の観光名所として大変有名である。滑走路長はわずか2433mで、大型旅客機の離着陸には短距離で、滑走路端を低空通過する必要がある。他空港では同様の場合、離着陸そのものが制限される場合が多い。滑走路に並行した誘導路 がないために、マホ・ビーチ 側から着陸した旅客機は、滑走路端にあるターニングパッド をUターンしてエプロン へ戻る。滑走路端にマホ・ビーチ があり計器着陸装置 (ILS)は設置できないが、距離測定装置 (DME)や無指向性無線標識 (NDB)は設置されている。
ビーチでは飛行機が離陸する際の「後方気流」が体感できるが、1日10回程度離陸する大型飛行機の場合は大変危険で、「離着陸時の後方気流で重傷を負ったり命を落とす場合もある」との注意喚起看板を掲示し巡回パトロールも行っている。しかし、2017年7月には観光客が後方気流にあおられ転倒、搬送先で死亡する事故が起きた。[ 2]
ヒストリーチャンネル において、「世界で最も危険な空港」第4位に選ばれている[ 3] 。
注意の看板
プリンセス・ジュリアナ国際空港に着陸する航空機のビデオ映像
就航路線
今後の計画
同空港は開港から70年近くが過ぎ、所々で老朽化が進んでいる。そこで同空港は近代化改修工事を行い、アップグレードを図る計画が組まれている。主な内容として、滑走路の修復や新しい誘導路の新設、駐機場増設やエプロンの拡大が挙げられている[ 4] [ 5] 。また空港全体が拡張できるよう、土地買収も行なわれる。
脚注
^ “ヒヤッ。旅客機がとんでもない低さでビーチを横切った ”. ハフポスト (2016年2月9日). 2018年4月15日 閲覧。
^ 空港見物の観光客、ジェット噴流に吹き飛ばされ死亡 CNN(2017年7月14日)2017年7月14日閲覧
^ Top ten most extreme airports 2014年7月24日閲覧
^ SXM Airport opens public tender process for new concessions
^ Some Airport Changes Are Coming to St. Maarten By Guest Writer, on January 14th, 2013 at 9:41 am
関連項目
外部リンク
空港情報 (ICAO:TNCM · IATA:SXM)
空港概要 気象情報 その他