ブラウンシュヴァイク工科大学(Technische Universität Braunschweig)は、ドイツ・ニーダーザクセン州の第2の都市ブラウンシュヴァイクにある工科大学である。ドイツ最古の数理科学教育機関を持つ工科大学で、工科大学連合TU9のメンバー校である。1745年に創立されたカロリヌム・コレギウム(Collegium Carolinum)が母体。数学や物理、天文学で名高いガウスの出身校で、現在はその名を冠した学部も設けられている。
コレギウムの創設にあたり、カール1世は宮廷顧問の神学者イェルーザレムに教授陣の人選を行わせた。イェルーザレムは神学者でありながら啓蒙思想家でもあり、ドイツ諸国から新進気鋭の若い文人・学者を集めた。創立当初は人文科学・美術、数学・科学の講義が行われ[7]、貴族の子弟48名が学生として在籍した。大学のモットーは「bon sens und guten Geschmack(分別と良識)」である[8][9][10][5]。
第二次世界大戦の戦火によって、大学の建物も7割が破壊され、学校は存続の危機に陥った。州政府の援助によって建物が再建され、大学が再開された。1968年に現在の「ブラウンシュヴァイク・カール=ウィルヘルミナ・工科大学(Technische Universität Carolo-Wilhelmina zu Braunschweig)」と改称した。「ブラウンシュヴァイク工科大学」というのはその通称である[8][9]。
^カール1世の「カール」は、ドイツ語ではKarlと綴るが、ラテン語ではカロルス(Carolus)と綴る。そのほかフランス語ではシャルル(Charle)、英語ではチャールズ(Charles)となる[11]。カール1世は領内のヘルムシュテット大学(ドイツ語版)にも力を注いだが、ヘルムシュタット大学は16世紀のブラウンシュヴァイクの領主ユリウスが創立したもので、もともとラテン語でアカデミア・ユリア(Academia Julia)と言ったのを、カール1世の名を入れたアカデミア・ユリア・カロリーナ(Academia Julia Carolina)と名を改めている[5]。(ラテン語の「アカデミア」は女性名詞なので「カロルス(Carolus)」が「カロリーナ(Carolina)」に、「コレギウム」は中性名詞なので「カロリヌム(Carolinum)」へと変化している。)
^ abドイツ歴史委員会(Historical Commission)・バイエルン科学アカデミー(Bavarian Academy of Sciences),ADB(Allgemeine Deutsche Biographie),Zachariae, Just Friedrich Wilhelm,2016年10月12日閲覧。