症状はパーキンソニズム、舞踏運動、アテトーゼ、認知機能障害、小脳失調など多彩である[1]。精神症状に関しては早発型(30歳頃発症)と遅発発症型(50歳頃発症)の2型が知られており、前者は被害妄想や幻聴といった統合失調症様の精神病症状を呈することが多く、後者は記銘力低下など認知症の症状で初発することが多い。後者は分類不能な認知症とされ、「石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillary tangle with calcification:DNTC)」としての概念も提唱されている[3]。大脳基底核への石灰化を起こす原因は、細動脈レベルからのムコ多糖の滲出とカルシウムの沈着、細動脈の崩壊、新生を繰り返すことが原因とされている。ファール病の石灰化は主に毛細血管壁、細動脈、小静脈、傍血管腔に認められ、石灰化の蓄積物の周囲では、神経変性やグリオーシスが認められる。
^ abRopper, Allan H.; Samuels, Martin A. (2009), Adams and Victor's principles of neurology (9th ed.), McGraw-Hill Companies, p. 944, ISBN978-0-07-149992-7