ハワリンバヤル(はわりんばやる、モンゴル語: Хаврын баяр、英語: Havriin Bayar)は、毎年ゴールデンウィークの期間に東京都で開催される、モンゴルを紹介する日本最大級のモンゴルのフェスティバル。在日モンゴル留学生会と、各年ごとに組織されるハワリンバヤル実行委員会が主催する。ハワリンバヤルは、モンゴル語で「春の祭り」を意味する。
概要
ハワリンバヤルは1998年から、東京都で開催されているモンゴルのフェスティバル。開催は在日モンゴル留学生会(ЯМОХ)が決定し、その後、複数の企業・団体・学生・個人によるボランティアとしてのハワリンバヤル実行委員会が組織される。キャッチフレーズは日本最大級のモンゴルの祭りで、毎年異なるテーマが決定される。駐日モンゴル国大使館と外務省が後援する、公的な性格が強いフェスティバルでもある。2001年からは練馬区の後援のもと、光が丘公園けやき広場で例年開催されている。当日は数万人の来場者が訪れる。日本在住のモンゴル人も多数集まり、旭鷲山、朝青龍、白鵬、日馬富士らモンゴル出身の大相撲力士・元力士たちも、例年招待される。
構成
ハワリンバヤルは基本的に、下記の内容にて構成される。
- モンゴル料理やモンゴル岩塩、モンゴルの雑貨などの販売、およびモンゴルをテーマとした社会活動のPRなどが行われる。
- モリンホールやホーミー、オルティンドーなどのモンゴルの伝統芸能やポップス、モンゴルのファッションショー、着物や三味線など日本の伝統文化とのコラボレーション、モンゴルの有名人の公演や文化紹介などが行われる。
- モンゴルの伝統相撲であるブフの紹介と試合。ハワリンバヤル2012まではハルハ・ブフ(モンゴル国式)とウジムチン・ブフ(南モンゴル/内モンゴル式)の、両方のブフを見学することができたが、ハワリンバヤル2013からはハルハ・ブフのみとなった。
- モンゴル文字の作品展示やシャガイ(モンゴル語版、英語版)などのモンゴルの伝統的な遊び方、スタンプラリー、写真展など。展示やイベントはゲルの中で行うものもあり、ゲルの組み立てや解体も体験・見学することができる。また、各種のコンテストを行うこともある。
- 大学や民間の研究者を招聘して講演を行なう、小規模なシンポジウム。
- ごみの収集・分別・処分。
- 会場内の警備。
- パンフレットやホームページ、各種広告、プレスリリースなど。パンフレットと公式ホームページは、祭りのプログラムや広告のほかに、ハワリンバヤルの公式メッセージが、テーマに即して掲載される。また、寄付や協賛を行なった企業名・団体名・個人名も掲載される。
歴代のハワリンバヤル
令和時代のハワリンバヤル
- ハワリンバヤル2022は、2022年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。オフライン開催は令和元年(2019年)以来3年ぶり。テーマは、「モンゴルのいま―未来へのストーリー」[1]。
- ハワリンバヤル2021は、2021年5月3日・5月4日に、新型コロナウィルス(COVID-19)感染症防疫のため初めてオンラインで開催された。テーマは、「今だからモンゴル! 知っているようで知らない文化や暮らし」[2][3]。
- ハワリンバヤル2020は、2020年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催される予定であったが、日本における新型コロナウィルス(COVID-19)流行の影響により中止となった[4]。
- ハワリンバヤル2019は、2019年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「モンゴル固有種の熊、マザーライ」。主催は在日モンゴル留学生会ハワリンバヤル2019実行委員会。後援は、駐日モンゴル国大使館、東京都東部公園緑地事務所、練馬区[5]。
平成時代のハワリンバヤル
- ハワリンバヤル2018は、2018年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「可能性を秘めた若いモンゴル ~大好きな日本に抱いた夢~」。主催は在日モンゴル留学生会、ハワリンバヤル2018実行委員会。後援は、駐日モンゴル国大使館、東京都東部公園緑地事務所、練馬区。
- ハワリンバヤル2016は、2016年4月30日・5月1日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「モンゴル発展のカギ 子ども・教育・志」。主催は在日モンゴル留学生会、ハワリンバヤル2016実行委員会。後援は、駐日モンゴル国大使館、外務省、文部科学省、東京都東部公園緑地事務所、練馬区。
- ハワリンバヤル2015は、2015年5月2日・5月3日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「モンゴルの人間力・未来への宝もの」。主催は在日モンゴル留学生会、ハワリンバヤル2015実行委員会。後援は、駐日モンゴル国大使館、外務省、東京都東部公園緑地事務所、練馬区。
- ハワリンバヤル2014は、2014年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「モンゴルのエコ エコノミーの可能性とエコロジーの多様性」。主催は在日モンゴル留学生会、ハワリンバヤル2014実行委員会。後援は、駐日モンゴル国大使館、外務省、練馬区。
- ハワリンバヤル2013は、2013年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「共に知ろう、未知への魅力」。主催は在日モンゴル留学生会、ハワリンバヤル2013実行委員会、練馬区商店街連合会・第9ブロック。後援は、駐日モンゴル国大使館、外務省、東京都、練馬区。
- ハワリンバヤル2012は、2012年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「一緒に歩んだ40年の絆、共に未来へ」で、モンゴル・日本国交樹立40周年を記念している。後援は、駐日モンゴル国大使館、外務省、東京都東部公園緑地事務所、練馬区。
- ハワリンバヤル2011は、2011年4月29日・4月30日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催される予定であったが、東日本大震災の影響によりいったん延期が通知され、後に中止となった。テーマは、「モンゴルの宝もの 自然、文化、教育・・・人」で、モンゴル独立宣言100周年を記念していた。
- ハワリンバヤル2010は、2010年5月2日・5月3日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「青空の国に20年吹いた風、そしてこれから」で、モンゴル国民主化20周年を記念している。
- ハワリンバヤル2009は、2009年5月3日・5月4日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「あなたの知らないモンゴル?! モンゴル発見の旅へ」。この年の主催はハワリンバヤル2010実行委員会(在日モンゴル国留学生会は実行委員会を構成する参加団体のひとつ)となっている。
- ハワリンバヤル2008は、2008年5月4日・5月5日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「もったいない!!遊牧民に学ぼう」。
- ハワリンバヤル2007は、2007年4月29日・4月30日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「みんなでつくろう、モンゴルの明日(みらい)」で、モンゴル・日本外交関係樹立35周年とモンゴルにおける日本年を記念している。
- ハワリンバヤル2007のパンフレットには、「私たちはこれからもモンゴルを『蒙古』と呼びません」と題した意見広告が掲載された。広告は、賛同した日本の25大学のモンゴル人留学生をはじめとするモンゴル人と日本人、および企業・団体の合同署名を掲載した[6]。
- ハワリンバヤル2006は、2006年5月3日・5月4日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。テーマは、「私たち留学生が伝えるモンゴルの過去から今、そして未来へ」で、モンゴル建国800周年、および日本におけるモンゴル年を記念している。
- ハワリンバヤル2005は、2005年4月29日・4月30日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。「モンゴル帝国建国800周年・前夜祭」と題された。
- ハワリンバヤル2004は、2004年5月1日・5月2日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。この年の主催は、在日モンゴル留学生会のみとなっている。
- ハワリンバヤル2002は、2002年4月20日・4月21日に、東京都練馬区の光が丘公園けやき広場にて開催された。日モ国交樹立30周年を記念している。
- ハワリンバヤル2001は、2001年4月21日・4月22日に、東京都中野区の北口広場、中野サンプラザ前にて開催された。
- ハワリンバヤル1999は、1999年3月27日に、東京都中野区の北口広場、中野サンプラザ前にて開催された。主催は在日モンゴル留学生会、在モンゴル日本語アマチュア協会、日本モンゴル文化教育交流協会。共催は、国際文化経済交流協会(JAICE)。後援は、駐日モンゴル国大使館、モンゴル交流協会ナイラルダム、モンゴル・日本経済促進センター、共立薇章、モンゴル文化教育大学。
- ハワリンバヤル1998は、1998年3月14日に、東京都豊島区の東京芸術劇場にて開催された。第一回目のハワリンバヤル。特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ共催。
歴代の協賛企業
歴代のステージ出演者
歴代のモンゴルカレッジ講演者
参考文献
- ハワリンバヤルパンフレット(各年ごとに発行されている。)
脚注
関連項目
外部リンク