ナリサ・チャクラボンセ (1956年8月2日-)は、ライター、出版者、環境活動家である。また、タイ国王 ラーマ5世 とその異母妹で妃のサオワパー・ポーンシー の王子であるチュラチャクラボン王子(ラーマ6世 やラーマ7世 の同母兄弟にあたり、ラーマ8世 やラーマ9世 の父であるマヒドンアドゥンラデート太上王 の異母兄にあたる)と彼のウクライナ人妻カテリーナ・デスニツカヤの息子のチュラ・チャクラボンセ王子とイギリス人女性エリザベス・ハンターの唯一の娘である。また、彼女の正式な肩書きは、 Mom Rajawongse (タイ語 : หม่อมราชวงศ์นริศรา จักรพงษ์ 、日本語の発音では、ママ ラジャウォン ナリサラ チャクラボン)であり[ 1] 、現在のタイ国王ラーマ10世 の又従姉妹にあたる。
タイと東南アジアの歴史、芸術、文化に関する多くの書籍や図解ガイドの著者および共著者であり、River Books Publishing[ 2] (タイ、バンコク)の創設者である。彼女の代表的な作品に「Katya and the Prince of Siam」があり、20世紀初頭を舞台とする、豊かな歴史的背景を持つシャムの王子とロシア人少女の愛を描いた名著である[ 3] 。
1990年にガリヤーニ・ヴァダナ王女 の後援のもと、環境教育に重点を置いて設立されたグリーンワールド財団[ 4] の創立理事長でもある。
幼少期から大学まで
ナリサはロンドンで生まれ、幼少期をイギリス、コーンウォール のトレデシーにある両親の家とバンコク において過ごした[ 5] 。両親であるチュラ・チャクラボンセ王子とエリザベス・ハンターが結婚して18年後に生まれた子であった。そのため、ナリサの第一言語は英語 とタイ語 である。彼女はコーンウォール のボドミンで初等教育を受けた。父親のチュラチャクラボン 王子は、彼女が7歳のときに癌で亡くなった。その後、彼女は年に2学期分をコーンウォール の学校で、1学期分をチトララダ宮殿の敷地内にあるチトララダ・スクールで過ごすようになった。そこでは、ラーマ9世 の末娘、チュラボン王女と同じクラスだった。学校で、ナリサはバレエとタイの伝統舞踊を習った。12歳になると、イギリス のサリー州 にある全寮制の学校へ進学したが、二重教育の難しさに直面したため、この学校を退学することとなった。15歳のとき、母親が亡くなったため、ナリサはロンドン に移り住み、叔母のもとで暮らした。16歳になると、イギリス最高の女子校といわれたロンドンのセント・ポール女子校 に入学した。この学校で初めてロシア語 を習うことになる。卒業後、先生たちのアドバイスに従って、ナリサはSOASロンドン大学に入学し、中国語 と中国文化を学んだ。しかし、すぐに自分のやりたいことはこれではないと悟り、イギリス で最も権威のある美術史の学校で美術史を学ぶため、コートールド・インスティテュートに転校した。3年後、ナリサは第一級の優等学位を取得した。その後、SOASロンドン大学の東南アジア研究科で修士号を取得した。
結婚と家族
ナリサは24歳のときにアレン・レヴィと結婚した。1981年8月6日に息子のヒューゴ・チュラ・アレクサンダー・レヴィ(Chulachak Chakrabongse)を出産する。現在、彼は人気ミュージシャン、歌手として活躍している。コルスヴァスティ・トムソンとの再婚では、息子に著名な環境活動家であるドミニク・プワサワット・チャクラボンセ(1991.5.22生まれ)をもうける。
ナリサは現在ロンドン とバンコク に住んでいる。バンコク のチャクラボンセ宅[ 6] を歴史的なブティックホテルにしている。また、バンコク・エッジ・フェスティバルなど、様々な文化イベントの会場としてもよく利用されている。
関連項目
参考文献、ウェブサイト
^ Chakrabongse, Narisa; Hunter, Eileen. Katya & the Prince of Siam (Second revised ed.). Bangkok. ISBN 616-7339-33-3 . OCLC 983129518
^ “river books の公式サイト ”. 2022年9月12日 閲覧。
^ Narisa Chakrabongse. Katya & the Prince of Siam . River Books
^ “greenworld ”. 2022年9月12日 閲覧。
^ “Cornwall Live ”. 2022年9月12日 閲覧。
^ “チャクラボン ヴィラズ &レジデンシーズ ”. 2022年9月12日 閲覧。