V を素体上有限生成な体k 上の滑らかな(英語版)射影多様体とする。ks を k の分離閉包とし、G を k の絶対ガロワ群 Gal(ks/k) とする。k において可逆な素数l を固定する。V の ks への base extension の l 進コホモロジー群(係数はl 進整数環で、スカラーは l 進数体 Ql に拡大される)を考える。これらの群は G の表現である。任意の i ≥ 0 に対し、V の余次元(英語版)i の部分多様体(k 上定義されていると理解する)は G によって固定されるコホモロジー群
の元を決定する。ここで Ql(i) は i 次のテイト捻りを表す。これはガロワ群 G のこの表現が円分指標の i 次冪でテンソルされることを意味する。
テイト予想は次のような予想である。ガロワ群 G によって固定される W の部分空間 WG は、Ql-ベクトル空間として、V の余次元 i の部分多様体の類によって張られる。代数的サイクルは部分多様体の有限線型結合を意味する。したがって同値な主張として、WG の任意の元は Ql 係数の V 上の代数的サイクルの類である。
分かっているケース
因子(余次元 1 の代数的サイクル)に対するテイト予想は主要な未解決問題である。例えば、f: X → C を滑らかな射影曲面から有限体上の滑らかな射影曲線の上への射とする。関数体k(C) 上の曲線である、f の generic fiber F は k(C) 上滑らかであるとしよう。すると X 上の因子に対するテイト予想は F のヤコビ多様体に対するバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想と同値である[1]。対照的に、任意の滑らかな複素射影多様体上の因子に対するホッジ予想は知られている(レフシェッツの(1,1)定理(英語版))。
X を有限生成体 k 上の滑らかな射影多様体とする。semisimplicity conjecture は、X の l 進コホモロジー上のガロワ群 G = Gal(ks/k) の表現が半単純(すなわち既約表現の直和)であると予想する。k が位数 q の有限体のとき、テイトはテイト予想と semisimplicity conjecture から strong Tate conjecture が従うことを示した。strong Tate conjecture とは、ゼータ関数Z(X, t) の t = q−j における極の位数は the rank of the group of algebraic cycles of codimension j modulo numerical equivalence に等しいというものである[5]。
Tate, John (1965), “Algebraic cycles and poles of zeta functions”, in Schilling, O. F. G., Arithmetical Algebraic Geometry, New York: Harper and Row, pp. 93-110, MR0225778
Tate, John (1966), “Endomorphisms of abelian varieties over finite fields”, Inventiones Mathematicae2: 134-144, MR0206004
Tate, John (1994), “Conjectures on algebraic cycles in l-adic cohomology”, Motives, Proceedings of Symposia in Pure Mathematics, 55, American Mathematical Society, pp. 71-83, ISBN0-8218-1636-5, MR1265523