コーンコナー・セーン・シャルマー(Konkona Sen Sharma、1979年12月3日 - )は、インドのヒンディー語映画・ベンガル語映画で活動する女優・映画製作者。女優・映画監督として活動するアパルナー・セーン(英語版)の娘であり、インディペンデント映画を中心に活動しており、これまでに国家映画賞、フィルムフェア賞を受賞している。
1983年に『Indira』で子役出演した後、2001年に『Ek Je Aachhe Kanya』で女優デビューする。2002年に母が製作した『ミスター&ミセス・アイヤル(英語版)』で国家映画賞 主演女優賞(英語版)を受賞し、人気女優の地位を確立する。2005年に『Page 3』でヒンディー語映画デビューし、その後は『Omkara』『Life in a... Metro』に出演してフィルムフェア賞 助演女優賞(英語版)、国家映画賞 助演女優賞(英語版)を受賞した[1][2]。また、2017年には『A Death in the Gunj』で監督デビューし、フィルムフェア賞 新人監督賞を受賞している[3]。
生い立ち
1979年12月3日に生まれる[4]。父ムクル・シャルマー(英語版)はサイエンスライター、母アパルナー・セーン(英語版)はベンガル語映画の女優・映画監督として活動していた。また、姉にはカマリニー・ムカルジーがいる[5]。母方の祖父チタナンダ・ダースグプタ(英語版)は映画評論家・学者・作家として活動し、カルカッタ映画協会(英語版)の創設メンバーでもある。また、祖母スプリヤー・ダースグプタはジバナナンダ・ダース(英語版)の従姉妹にあたる。
2001年にセント・スティーブン・カレッジ(英語版)で英語学士号を取得している[6]。
キャリア
2000年 - 2004年
ミーナークシー・アイヤルを演じた彼女の演技で特別なのは、彼女が注力した努力ではなく、明らかに欠落した部分である。都会的な写真家ジェハンギル・チョウダリーとのいざこざや、「ミナクシじゃなく、ミーナークシーです」と名前の発音違いを優しく注意する点、あるいは乳児に大声を出す点などで、ミーナークシーに会ったと信じるだろう。そこにこそ、彼女のアイコニックな演技の鍵があるのだ。
—『ミスター&ミセス・アイヤル』におけるコーンコナー・セーン・シャルマに対する『フィルムフェア』の批評[7]
1983年にベンガル語映画『Indira』で子役として出演した後、2001年に『Ek Je Aachhe Kanya』で女優デビューする。2002年にはリトゥポルノ・ゴーシュ(英語版)の『Titli』で母アパルナー・セーン、ミトゥン・チャクラボルティー(英語版)と共演した。両作で批評家から高い評価を受けたコーンコナーはベンガル語映画界で注目を集めた。同年7月に母アパルナー・セーンが監督を務めた『ミスター&ミセス・アイヤル(英語版)』に出演し、インド映画界での人気女優の地位を確立した。同作は興行的には平凡な成績だったが、国内外の批評家から絶賛され、タミル人の主婦役を演じたコーンコナーは国家映画賞 主演女優賞(英語版)を受賞した[8]。また、2010年には『フィルムフェア』の「アイコニック・パフォーマンス・トップ80」に選出されている[9]。
2005年 - 2010年
第53回フィルムフェア賞授賞式に出席するコーンコナー・セーン・シャルマーとランヴィール・ショウリー(2008年)
『Atithi Tum Kab Jaoge?』プロモーション中のコーンコナー・セーン・シャルマーとアジャイ・デーヴガン(2012年)
2005年にマドゥール・バンダルカル(英語版)の『Page 3』に出演し、ジャーナリストのマーダヴィ・シャルマ役を演じた。同作は批評家から高い評価を受け、興行的にも成功を収めている[10]。コーンコナーもジー・シネ・アワード 新人女優賞(英語版)を受賞し、ヒンディー語映画界でも注目を集めるようになった。同年10月に出演した『15 Park Avenue』ではワヒーダー・ラフマーン、シャバーナー・アーズミーと共演し、精神を病んだ女性を演じた。同作は批評家からの評価は高かったものの、興行的には失敗している[11]。その後、ミーラー・ナーイルの『その名にちなんで』の出演オファーを受けるが、他作品の撮影スケジュールと日程が重複していたため辞退している[12]。ヴィシャール・バルドワージ(英語版)の『Omkara』ではアジャイ・デーヴガン、カリーナ・カプール、サイーフ・アリー・カーン、ヴィヴェーク・オベロイ、ビパシャ・バスーと共演し、批評家からは演技を絶賛され国家映画賞 助演女優賞(英語版)とフィルムフェア賞 助演女優賞(英語版)を受賞した。一方、暗いテーマと暴力的な表現がファミリー層から忌避されたため、興行的には平凡な成績に終わっている[13]。続いて出演した『Deadline: Sirf 24 Ghante』は批評家から酷評され、興行的にも失敗している。また、同年には18分間のベンガル語短編映画『Naamkoron』で監督デビューし、同作はカーラ・ゴーダ芸術祭(英語版)で上映された[14]。『Dosar』ではプロセンジット・チャタルジー(英語版)と共演しており、同作は複数の映画祭で上映され、興行的にはスリーパー・ヒット(英語版)となった。また、コーンコナーは同作の演技でニューヨーク・インド映画祭(英語版)の女優賞を受賞している[15]。
2007年にマドゥール・バンダルカルの『Traffic Signal』で娼婦役を演じ[16]、批評家からは好意的に評価されたものの、興行的には失敗している[17]。アヌラーグ・バス(英語版)の『Life in a... Metro』ではシルパー・シェッティ(英語版)、ケイ・ケイ・メーノーン(英語版)、イルファーン・カーン、カンガナー・ラーナーウトと共演し、婚外恋愛やコミットメント恐怖症(英語版)を題材とした同作は批評家から絶賛され、コーンコナーの演技も高い評価を得てフィルムフェア賞助演女優賞を受賞しており、興行収入も2億5000万ルピーを記録するヒット作となった[18][19]。下半期はヤシュ・ラージ・フィルムズの『Laaga Chunari Mein Daag』『Aaja Nachle』に出演した。『Laaga Chunari Mein Daag』ではジャヤー・バッチャン、ラーニー・ムカルジー、アヌパム・カー、クナール・カプール(英語版)、アビシェーク・バッチャンと共演し、批評家からの評価は混合的だったものの、コーンコナーの演技は高い評価を受けてフィルムフェア賞助演女優賞にノミネートされた。『Aaja Nachle』ではマドゥリ・ディークシットと共演し、彼女の演技についてCNN-IBN(英語版)のラジーヴ・マサンドは「素晴らしいの一言に尽きる。彼女の最大の強みは、馬鹿にされることを恐れず、笑われることを気にしないことだ。それにより、『Aaja Nachle』における彼女の演技は大胆不敵で解放的なものになった」と批評している[20]。興行成績について、『Laaga Chunari Mein Daag』は平均を下回る結果となり、『Aaja Nachle』は興行的に失敗している[21][22]。2008年には『Dil Kabaddi』に出演したが批評的・興行的に失敗しており、10月にはミーラー・ナーイルの短編映画『8』に出演し、同作は複数の映画祭で上映された[23]。
2009年はクナール・ロイ・カプール(英語版)の『The President Is Coming』に出演し、ジョージ・W・ブッシュと会見するために競い合う「新生インド」と称される若者の一人を演じた。同作は批評家から好意的な評価を得ており、コーンコナーの演技も高く評価されている[24]。ゾーヤー・アクタルの監督デビュー作『チャンスをつかめ!(英語版)』ではファルハーン・アクタル(英語版)と共演し[25]、ヒンディー語映画での成功を目指す女優を演じた。同作は批評家から絶賛されコーンコナーの演技も高く評価されたものの、興行的には伸び悩んだ[26][27][28]。同年10月にはアヤーン・ムカルジーの監督デビュー作『Wake Up Sid』でランビール・カプールと共演し、こちらも批評家から絶賛された。また、彼女の演技も高く評価されており[29]、ボリウッド・ハンガマのタラン・アダルシュは「セーン・シャルマーはどこまでも自然体で、何よりも素晴らしい点は彼女が難なく役を演じていることだ。この素晴らしい女優による、もう一つのウィニング・パフォーマンスがここにあるのだ!」[30]、『ニューヨーク・タイムズ』は「セーン・シャルマーはアーイシャーのような都会的で自立した女性、特に恋愛だけではなくキャリアを追い求めるような女性を演じることを得意としてきた。彼女が演じるアーイシャーは野心的で思いやりがあり、信頼されるキャラクターであり、本作で監督デビューを飾ったムカルジーが彼女に映画を任せっきりにした判断は正しかった」とそれぞれ批評している[31]。同作は4億7100万ルピーの興行収入を記録し、商業的にも成功を収めている[32]。2010年は『Atithi Tum Kab Jaoge?』でアジャイ・デーヴガン、パレーシュ・ラーワルと共演し[33]、『Right Yaaa Wrong』では弁護士を演じた。『Atithi Tum Kab Jaoge?』は批評的・興行的に成功を収めたが、『Right Yaaa Wrong』は批評家から酷評され、興行的にも失敗している[34][35]。また、同年12月に出演した『Mirch』も批評的・興行的に失敗している。
2011年 - 現在
2011年に『7 Khoon Maaf』でプリヤンカー・チョープラー、ヴィヴァーン・シャー(英語版)と共演し、母アパルナー・セーンの半生を題材とした『Iti Mrinalini』では主演を務めた[36][37]。その後は『Jackpot』でランヴィール・ショウリー(英語版)と共演し[38][39]、このほかに『Shunyo Awnko』にも出演している。2013年には父ムクル・シャルマーの短編小説を原作とした『Ek Thi Daayan』でイムラーン・ハーシュミー(英語版)、カルキ・ケクラン(英語版)、フマー・クレーシー(英語版)と共演した[40][41]。同作は批評家から好意的に評価されており、コーンコナーもフィルムフェア賞助演女優賞にノミネートされた。また、興行的にも一定の成功を収めている[42]。また、母アパルナー・セーンが監督を務めた『Goynar Baksho』ではフィルムフェア賞 ベンガル語映画部門主演女優賞(英語版)を受賞した[43]。
2015年に出演した『Kadambari』ではカダンバリ・デーヴィ(英語版)を演じ、『Gour Hari Dastaan』ではオリッサ州で活動した独立運動家グル・ハリ・ダースの妻ラクシュミー・ダースを演じている。また、メーグナー・グルザールの『有罪/Guilty(英語版)』では、題材となった2008年ノイダ二重殺人事件(英語版)におけるヌプル・タルワールに相当するキャラクターを演じている。『有罪/Guilty』は第40回トロント国際映画祭(英語版)でプレミア上映され、批評家から絶賛されたほか、コーンコナーの演技も高い評価を受け、興行的にはスリーパー・ヒットを記録している[44]。また、同年には短編映画『Nayantara's Necklace』にも出演している[45]。2016年はA・R・ムルガダースの『アキラ(英語版)』ではソーナークシー・シンハーと共演し、女性警官を演じた。批評家からの評価は混合的で、興行成績も芳しくなかった[46]。
2017年に『A Death in the Gunj』で長編映画監督デビューし、ヴィクラント・マシー(英語版)、カルキ・ケクランを起用している[47]。同作は第41回トロント国際映画祭でプレミア上映され批評家から高い評価を得ており、コーンコナーはフィルムフェア賞 新人監督賞を受賞し、フィルムフェア賞 審査員選出作品賞(英語版)にノミネートされた。このほかにもニューヨーク・インド映画祭やMAMI映画祭(英語版)でも監督賞を受賞している[48]。同年7月にはアランクリター・シュリーヴァースタヴァ(英語版)の『ブルカの中の口紅(英語版)』に出演し[49]、コーンコナーはニューヨーク・インド映画祭とインディアン・フィルム・フェスティバル・メルボルンで主演女優賞を受賞している。しかし、両作は批評的には高い評価を得たものの、興行的には平均を下回る結果に終わっている[50][51]。
2020年に出演した『ドリーとキティ 〜輝け人生!〜(英語版)』ではブーミー・ペードネーカルと共演し、社会が求める役割に苦悩する中産階級の女性を演じており、ペードネーカルと共にフィルムフェア賞 審査員選出女優賞にノミネートされた。2021年はシーマ・パーワ(英語版)の監督デビュー作『バブジを偲んで(英語版)』に出演し、父親を喪った娘を演じた。同作は批評家から絶賛され、コーンコナーもフィルムフェア賞助演女優賞にノミネートされたものの、興行的には振るわなかった。Netflix配信のアンソロジー映画『ただならない物語(英語版)』の「Geeli Pucchi」では同僚に想いを寄せる低級カーストの女性を演じ、フィルムフェアOTT賞(英語版)のウェブ・オリジナル映画主演女優賞を受賞した。また、Amazon Prime Video配信の『ムンバイ・ダイアリーズ-11月26日-(英語版)』では総合病院の社会福祉部長を演じた。同作はニキル・アドヴァーニー(英語版)が監督を務め、国立病院の救急治療室を舞台に、ムンバイ同時多発テロに直面した医療スタッフの姿を描いている[52][53][54]。2023年は『Kuttey』で女性警官を演じたが批評家から映画は酷評され、興行的にも失敗に終わった[55]。『慕情のアンソロジー2(英語版)』では「The Mirror」の監督を務め、ティロタマ・ショームとアムルータ・スバーシュ(英語版)を起用した同作では女性の欲望と窃視症をテーマに描いている。同作は批評家から高い評価を受け、フィルムフェアOTT賞審査員選出ウェブ・オリジナル作品賞を受賞した。
私生活
2007年からランヴィール・ショウリーと交際を始め、2010年9月3日に結婚式を挙げた[56]。2011年3月15日に南ムンバイ(英語版)の病院で息子ハルーンを出産したが[57]、2015年9月にランヴィール・ショウリーとの別居を発表し、親権は二人で共有することが明かされた[58]。2020年8月13日に離婚が成立した[59]。
フィルモグラフィー
映画
出演
監督
テレビ
ポッドキャスト/オーディオブック
年
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作品
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作者
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役柄
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言語
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備考
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2019
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Twin Beds
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アニータ・ナーイル(英語版)
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ニーシャ
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英語
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サティヤディープ・ミシュラ(英語版)と共演
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The Rumour
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アヌシュカ・ラヴィシャンカル(英語版)
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ナレーター
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The Last Bargain
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アミタ・アイヤル
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2020
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A Swiss Mountain Adventure
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Mindhouse App
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The Timeless Love of Lily Moon
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2021
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Kadambari Devi's Suicide Note
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ランジャン・バンドパディヤイ
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ベンガル語版の名前はジムリ・ムカルジー[69]
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2022
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Barefoot Boys
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ポッドキャスター
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ポッドキャスト[70]
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ディスコグラフィー
受賞歴
国内の賞
海外の賞
出典
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外部リンク