コンピューター人間(コンピューターにんげん)は、「コンピューター時代の人間」を意味する、人間に対する分類用語。1970年前後から日本で使用され、活字時代の人間を「活字人間」、テレビ時代の人間を「テレビ人間」と呼ぶところから名付けられた。
概要
コンピューター普及前の1970年前後、未来学者の林雄二郎はテレビ人間を「フィーリング人間」と、コンピューター人間を「わりきり人間」とし、将来若者にコンピューター人間(コンピューターっ子)が増えてテレビ人間(テレビっ子)との断絶が起きるだろうとの予言をおこなった[1][2]。
その後、実際にコンピューター人間が増えていき、1986年には社会精神病理学者の野田正彰がフィールドワークをおこなって経済週刊誌「エコノミスト」上で「情報社会の現在ーーコンピュータと人間」の連載を行い、1987年にはその連載を加筆修正した『コンピューター新人類の研究』を出版した。その研究では世代を以下のように定義している:
- コンピュータ不安世代 - 仕事場の情報化の流れで導入されたコンピュータを不安視する世代。1945年前後以前生まれ。
- コンピュータ第I世代 - 仕事としてコンピュータを使うようになった世代。1955年〜1965年生まれ。
- コンピュータ第II世代/コンピューター新人類第一期 - マイコン世代。1965年〜1975年生まれ。
- コンピュータ第III世代/コンピューター新人類第二期 - コンピューターゲーム世代。1975年以降生まれ。
またその研究によれば当時のコンピュータ少年はマンガとアニメとSFを好んでいた一方、コンピュータ少女はそもそも数が少なかったとされている。
その他の用例
人間そっくりのアンドロイドのことをコンピューター人間と呼ぶこともある。これには例えば1969年に日本テレビ系で放送された海外ドラマ『S.0401年 宇宙大作戦』(スタートレック 第1シーズン)の「コンピューター人間」 (原題:What Are Little Girls Made of?)がある。
またイエスかノーの二択しかない人や、冷たくそっけない人をコンピューター人間と呼ぶこともある[要出典]。
関連作品
- 桜井信夫 文、斎藤博之 絵『創作子どもSF全集 18 コンピューター人間』 国土社 1981年4月
- 小川憲治 『コンピュータ人間―その病理と克服』 勁草書房 1988年9月1日
出典
- ^ 佐原洋「ときどきの雑感(その90)」『電機 (267)』内 、日本電機工業会、1970年9月、p.45 [1]
- ^ 林雄二郎、片方善治、白根礼吉 編『情報化社会 第6 (学ぶ)』 、毎日新聞社、pp.228-229 [2]
参考文献
関連項目