1937年10月にベルギーの航空機メーカーのSABCA社はイタリアの航空機メーカーのカプロニ社と特定市場でSABCA社がカプロニ Ca 135、Ca 310、Ca 312といったカプロニ社製軍用機を各々SABCA S.45bis、S.46、S.48という名称で販売する協定を結んだ。この協定の一環としてカプロニ社は、ベルギー空軍が複座戦闘機と偵察機として使用していたが時代遅れとなっていたフェアリー フォックス複葉機の代替機種の開発を行うことになった[1]。
このSABCA社向けの新型機カプロニ Ca.335 マエストラーレの設計作業は、主任技師のチェザーレ・パラヴァチーノに任され[2]、パラヴァチーノは自身の以前の作であるA.P.1攻撃機を基にCa.335を設計した[1]。Ca.335は鋼管に金属外皮を張った胴体に木製と羽布張りの主翼という混合構造の片持ち式低翼単葉機であり、1基のイスパノ・スイザ 12YcrsV型12気筒エンジンを搭載していた。油圧作動の引き込み可能な尾輪式降着装置を備え、主脚は後方へ向けて主翼下面に引き込められた。パイロットと偵察員はコックピットの中で各々独立してかなり離れて座り、偵察員は1丁の機関銃を、パイロットはプロペラハブを貫通する20 mm イスパノ・スイザ HS.404モーターカノンと主翼に装備した2丁の機関銃を発射した。小型の爆弾倉には2発の50 kg (110 lb)爆弾を収納し、更に10発の10 kg (22 lb)爆弾を主翼下に懸架することができた[3][2]。