カガヤン川 (カガヤンがわ、フィリピン語 : Ilog Cagayan , 英語 : Cagayan River )は、フィリピン ・ルソン島 北東部のカガヤン・バレー地方 を流れる河川。フィリピンで最長の河川である[ 1] 。古称はリオグランデデカガヤン川 (スペイン語 : Rio Grande de Cagayan )[ 2] 。
概要
トゥゲガラオ のブントゥン橋付近
1720年 にJuan Luis de Acostaにより描かれたカガヤン川流域古地図
ルソン島の中央東部、ヌエヴァ・ヴィスカヤ州 のカラバリオ山脈 (英語版 ) を水源とする。シエラマドレ山脈 とコルディレラ・セントラル山脈 の間を北上してイサベラ州 、カガヤン州 を通過し、チコ川やマガット川など大小の支流を合わせる。カガヤン州アパリ (英語版 ) でバブヤン海峡 に流入する[ 2] [ 3] [ 4] 。
延長520km、流域面積27,300km2 は、ともにルソン島及びフィリピンで最大である[ 1] 。
沖積平野 として広大で肥沃なカガヤン平野 を形成しており、稲作 やタバコ 、トウモロコシ 、ココヤシ などを中心に農業開発が行われ、フィリピンの重要な農業地帯となっている[ 3] [ 6] 。特にタバコ葉は、キューバ 産のハバナシガー に並んで高名なマニラシガー の生産中心地として知られる[ 7] (葉巻きたばこ を参照)。
沿岸の主要都市はトゥゲガラオ 、イラガン (英語版 ) 、河口にあるアパリなど[ 6] 。小規模な汽船であれば、河口から約100km程度の航行が可能である[ 3] 。
流域の気候は全体的に乾季 が不明瞭で、年間の降水量 は1,500-2,000mmである[ 4] 。パシッグ川 やアグノ川 (英語版 ) など他のルソン島主要河川に比べると相対的に雨量が少ない方に属する[ 8] 。上流及び下流部はイロカノ族 (英語版 ) 、中流部はタガログ族 の居住地域となっている[ 3] 。
カガヤン川流域はフィリピン最大の平野であるが、台風 やモンスーン 等による豪雨のため毎年のように激しい洪水 が発生し、そのためフィリピン国内でも開発が遅れた地域となっている。特に下流部の河川狭窄部が原因で、その上流に広がる耕作地域に頻繁に洪水を引き起こし、主要産業である農業に大きな被害を与えている。一方で財政的な制約もあって河川改修や堤防 などの治水施設の整備が進んでおらず、治水計画は日本 に委ねられている[ 9] [ 1] 。
主な支流
下流から記載
脚注
^ a b c 国際協力事業団(2000).
^ a b 『世界地名大事典』(2017).
^ a b c d 『日本大百科全書』(1985).
^ a b 『世界大百科事典』(2007).
^ a b 『ブリタニカ』小項目1(1991).
^ 『ブリタニカ』20(1991).
^ 土木研究所(2007).
^ 大矢,松田(2002).
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
カガヤン川 に関連するカテゴリがあります。