オニオオバン(鬼大鷭、学名:Fulica gigantea) は、ツル目クイナ科に分類される鳥類の一種である。
分布
ペルーからチリ北部、アルゼンチン北西部のアンデス高地に分布する。
形態
体長約49-59cm。オオバン属の中で最大の種である。若鳥のうちは飛ぶことができるが、成鳥になると飛べなくなる。全身が暗い灰黒色で、雨覆は色が一層濃くなっている。尾は黒色である。額にはくちばしが延長したような「額板」がある。額板は黄色で中央部が白色、嘴は濃い赤褐色で先端に白色の斑がある。脚は濃い赤茶色である。
生態
標高3600mから6500mまでの高地の淡水の湖沼に生息する。非繁殖期には群れを作るが、繁殖期は番いで縄張りを持つ。
ほぼ1年中繁殖する。浮き草の上に植物の葉などを積み上げて巣を作る。時には直径数メートルに及ぶこともある。1腹約7個の卵を産む。
参考文献
- 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、84、166頁。
- 『動物たちの地球 18 タンチョウ・ヤンバルクイナ・バンほか』、朝日新聞社、1991年、184頁