アオベンケイ(青弁慶、学名:Hylotelephium viride (Makino) H.Ohba[1])は、ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属に分類される多年生の1種[3]。シノニムが、Sedum viride Makino[2]。別名がアオベンケイソウ[4]。
特徴
根茎があり発達する[5]。花茎は長さ20-50 cmで斜上し[3]、冬には基部まで枯れ、毎春根茎の不定芽から出る[5]。花茎や葉の一部が紅色を帯びる個体はまれで、ふつう地上部は全体に草緑色で、赤みがまったくない[3]。葉は緑色、ふつう対生し[5]、卵形で、長さ3-6(-10) cm、円頭-鋭頭、縁は滑らかかゆるい波状鋸歯があり、長さ1-2 cmの葉柄がある[3]。
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卵形の葉は対生し、葉柄がある
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本年の枯れた花茎と翌年に成長する葉芽、12月
花序は散房状で多数の小花をつけ、球形、萼片は3角形、長さ約1.5 mm[3]。花弁は淡黄緑色、楕円状倒披針形、長さ4.5 mm、鋭頭[3]。裂開直前の葯は淡褐色[3]。蜜腺は線形、長さ0.8 mm[3]。雌蕊は長さ約4.5 mm[3]。子房の基部はやや急に細まり柄状となる[3]。花柱は長さ1.5 mm[3]。花期は9-10月[3]。
胎座は辺縁性で、胚珠がある。種子は1 mm前後、長楕円形、種皮は褐色で細かい縦の隆条がある[5]。染色体数はn=12[3]。
分布と生育環境
日本固有種で、本州(中部地方以西)、四国、九州に分布する[3]。
山地の樹上や苔むした岩上に生育する[3]。
種の保全状況評価
日本では環境省による国レベルのレッドリスト受けていないが[6]、以下の多数の都道府県のレッドリストで指定を受けている。
脚注
参考文献
外部リンク