「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ [ 注 1] 」(I Write Sins Not Tragedies )は、アメリカ合衆国のポップ・ロック・バンドであるパニック!アット・ザ・ディスコ の楽曲。2005年に発売されたデビュー・アルバム『フィーバーは止まらない 』に収録された後、2006年1月16日にシングル・カットされた。プロデュースはマット・スクワイア 。『ビルボード 』誌のHot 100 では最高位7位、全英シングルチャート では最高位25位を記録。
歌詞・曲の構成
曲のタイトルは、ダグラス・クープランド の小説『シャンプー・プラネット』に登場するセリフに由来[ 9] 。バンドのマネージャーであるスコット・アーデルベルクによれば、仮タイトルは「Flam Chorus 」[ 10] 。歌詞は結婚式の悲喜劇を描いたもので[ 11] 、作詞を手がけたライアン・ロスが経験した彼女との破局から影響を受けている[ 9] 。
曲は外部ミュージシャンのヘザー・ステッビンス[ 12] によるピッツィカート を使用したチェロのイントロから始まる[ 13] 。キーはAマイナー で、テンポは170BPM[ 14] 。ジャンルの分類についてはダンス・パンク [ 2] 、エモ [ 3] [ 4] [ 5] 、ポップ・パンク [ 6] [ 5] など、文献によって異なっている。
リリース・評価
2005年9月27日、フュエルド・バイ・ラーメン およびディケイダンス・レコード からデビュー・アルバム『フィーバーは止まらない 』が発売され[ 15] 、「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ」は「君がやってくれた方がいいのに 」と「いつもエステバンを神に感謝」の間の10曲目に収録された[ 8] 。2006年1月16日に2作目のシングルとしてリカット された[ 1] [ 16] 。『ビルボード 』誌のBubbling Under Hot 100 において2006年2月11日の週のチャートで初めてチャートインし、3月11日の週のチャートで第4位を記録[ 17] 。その後8月26日の週のBillboard Hot 100 で最高位7位を記録[ 18] 。なお、パニック!アット・ザ・ディスコのBillboard Hot 100でのトップ10入りは、2019年に「ハイ・ホープス 」(2018年発売)が最高位7位を記録するまで本作のみとなっていた[ 19] 。
アメリカのラジオ局でのオンエアでは、一部歌詞の差し替えや「シーッ」という音を加えたエディットバージョンが使用された[ 9] 。
『musicOMH 』のフィオナ・マッキンレイは、アルバム『フィーバーは止まらない』のハイライトの1つとして本作を挙げ、「絶対的に素晴らしい」と評した[ 20] 。『CDJournal』は重厚なストリングス・サウンドが、幻想的かつカラフルな音空間を作り上げている と評した[ 11] 。2022年に『バラエティ 』誌は史上最高のエモ・ソングの1つとして本作を挙げた[ 21] 。
ミュージック・ビデオ
「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ」のミュージック・ビデオ は、シェーン・ドレイク が監督を務めた作品[ 22] 。ミュージック・ビデオは、新郎と新婦が結婚式(参列したゲストは全員ピエロのメイクをしている)を挙げるところから始まる[ 22] [ 9] 。式の途中でリングマスターのユーリー率いるバンドやサーカス団のメンバー(ルーセント・ドシエ・エクスペリエンス )が乱入し、動揺した新婦は新郎との口論の末、教会を出て行く(この時参列したゲストの1人が新婦を追いかける)。ユーリーに連れられるかたちで教会の外に出た新郎は、追いかけてきたゲストとキスをしている新婦を見つける[ 22] [ 9] 。ユーリーと新郎がカメラに向かって頭を下げると、リングマスターの衣装を身に纏った新郎が頭を上げる[ 22] 。ここでリングマスターのユーリーが新郎の別人格であったことが発覚する[ 22] 。
新郎役としてダニエル・アイザック・マガフィーが出演[ 22] 。マガフィーは元々プロモーション・ビデオを手がける映像監督だが、激ロックのインタビューでこのことについて聞かれたユーリーはいや、彼がどんな仕事をやってるのか知らなかったよ。このPVの出演者オーディションで選んで出演してもらっただけだから と答えている[ 23] 。
「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ」のミュージック・ビデオは、2006年のMTV Video Music Awards で最優秀ビデオ賞を受賞[ 24] 。2011年、『ビルボード』誌が行なった2000年代に発表されたミュージック・ビデオを対象とした世論調査で第3位にランクイン[ 25] 。
シングル収録曲
7inchシングル(イギリス盤 / 2006年2月) # タイトル 作詞 作曲 A. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) ライアン・ロス
CDシングル(イギリス盤 / 2006年2月) 全作詞: ライアン・ロス、全作曲: ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) ライアン・ロス ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー 3:10 2. 「朝食には釘を、おやつには鋲を(デモ・ヴァージョン)」(Nails for Breakfast, Tacks for Snacks (Demo Version)) ライアン・ロス ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー 3:57 合計時間:
7:07
CDシングル(オーストラリア盤 / 2006年5月) 全作詞: ライアン・ロス、全作曲: ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) ライアン・ロス ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー 3:10 2. 「朝食には釘を、おやつには鋲を(デモ・ヴァージョン)」(Nails for Breakfast, Tacks for Snacks (Demo Version)) ライアン・ロス ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー 3:57 3. 「殉死と自殺の差は記事になるかならないか (トミー・サンシャイン・ブルックリン・ファイアー・リミックス)」(The Only Difference Between Martyrdom and Suicide Is Press Coverage (Tommie Sunshine Brooklyn Fire Remix)) ライアン・ロス ライアン・ロス、スペンサー・スミス、ブレンドン・ユーリー 5:04 合計時間:
12:11
CDシングル(イギリス盤 / 2006年2月) # タイトル 作詞・作曲 時間 1. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) ライアン・ロス スペンサー・スミス ブレンドン・ユーリー 3:07 2. 「カーマ・ポリス (ライヴ/デンヴァー・ヴァージョン)[ 注 2] 」(Karma Police (Live in Denver)) 3:23 合計時間:
6:30
7inchゲートフォールド式スリーブ(イギリス盤 / 2006年10月) # タイトル 作詞 作曲・編曲 A. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) B. 「君がやってくれた方がいいのに (ライヴ/グラスゴー・ヴァージョン)」(But It's Better If You Do (Live from Glasgow))
7inchピクチャー・ディスク(イギリス盤 / 2006年10月) # タイトル 作詞 作曲・編曲 A. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング(アルバム・ヴァージョン)」(I Write Sins Not Tragedies (Album Version)) B. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング(ライヴ/デンヴァー・ヴァージョン)」(I Write Sins Not Tragedies (Live in Denver))
エンハンストCD(2006年10月) # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」(I Write Sins Not Tragedies) 3:10 2. 「朝食には釘を、おやつには鋲を(デモ・ヴァージョン)」(Nails for Breakfast, Tacks for Snacks (Demo Version)) 3:57 3. 「殉死と自殺の差は記事になるかならないか(トミー・サンシャイン・ブルックリン・ファイアー・リミックス)」(The Only Difference Between Martyrdom and Suicide Is Press Coverage (Tommie Sunshine Brooklyn Fire Remix)) 5:04 4. 「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング(ミュージック・ビデオ)」(I Write Sins Not Tragedies (Video))
クレジット
※特記を除き、出典は『フィーバーは止まらない』のブックレット[ 12]
パニック!アット・ザ・ディスコ
外部ミュージシャン
スタッフ
チャート成績
年間チャート
チャート (2006年)
順位
オーストラリア (ARIA)[ 44]
50
US Billboard Hot 100[ 45]
20
認定
発売日一覧
脚注
注釈
^ 発売当初は、副題付きの「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング 」という邦題だった[ 8] 。
^ レディオヘッド のカバー曲で、「カーマ・ポリス」をカバーした理由を聞かれたユーリーはRADIOHEADはメンバー皆で大好きなんだ。あの曲をカバーしたら楽しいだろうと思ったんだ と答えている[ 26] 。
^ アルバムのブックレットに掲載されているクレジットでは、ベースの演奏者としてブレント・ウィルソンの名が表記されているが、スミスはウィルソンがレコーディングに不参加であったことと、ユーリーが代わりに演奏したことを明かしている[ 27] 。
出典
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外部リンク
シングル プロモーション・シングル 楽曲 スタジオ・アルバム ライブ・アルバム コンピレーション・アルバム
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Panic! at the Disco Video Catalog
関連人物 関連項目
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