Zcash

Zcash
使用開始日2016年10月28日
使用
国・地域
世界
通貨記号ZEC

Zcashジーキャッシュジー・キャッシュ)とは分散型暗号通貨である[1]

概要

Zcash暗号通貨の一つであり、ビットコインのような他の暗号通貨と異なり、暗号理論を用いてユーザのプライバシーを強化することを目的に設計されている。

Zcashの通貨発行量の上限は2100万ユニット(2100万ZEC)である。[2]

トランザクションは、そのアドレスによって2種類に分類される。t-addr (トランザクションアドレス) で制御されるトランザクションは、ビットコインのトランザクションと「透過(transparent)」であり、これと同様である。z-addr (シールドアドレス) で制御されるトランザクションは、zk-SNARKと呼ばれる一種のゼロ知識証明になっている。コインの送金に使われるアドレスや移動したコインの量などを隠しつつ、二重送金などの不正が行われていないことが「証明」される。それゆえトランザクションは「封印されている(shielded)」と言われる。 Zcashのコインはtransparent poolまたはshielded poolのいずれかの中にある。2017年12月時点では、shielded poolの中にあるZcashコインは約4%に留まり、ほとんどのウォレットプログラムと全てのウェブウォレットはz-addrをサポートしていない。[3]

Zcashではコインの移動履歴を隠すことができるが、「選択的開示」のオプションが提供されており、監査のためにユーザが支払いを証明できるようなっている。このようなオプションの存在理由の一つは、マネーロンダリング防止や税法の遵守である。「トランザクションは監査可能であるが、その開示はユーザの管理下にある。」[4] Zcashの創設者は「違法行為を促進するための通貨を開発したのではない」と述べており、その説明のために米国各地の法執行機関とのバーチャルミーティングが開催されている。[2]

脚注

  1. ^ Zcash テクノロジー |
  2. ^ a b Popper, Nathaniel (2016年10月31日). “Zcash, a Harder-to-Trace Virtual Currency, Generates Price Frenzy”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2016/11/01/business/dealbook/zcash-a-harder-to-trace-virtual-currency-generates-price-frenzy.html 
  3. ^ Quesnelle, Jeffrey (2017). "On the linkability of Zcash transactions". arXiv:1712.01210 [cs.CR]。
  4. ^ Clozel, Lalita (31 October 2016). “How Zcash Tries to Balance Privacy, Transparency in Blockchain” (英語). American Banker. https://www.americanbanker.com/news/how-zcash-tries-to-balance-privacy-transparency-in-blockchain 

関連項目

外部リンク