TVSモーター(TVS Motor)は、インドの二輪自動車メーカーで、オートバイ、スクーター、モペッド、オート・リクシャーを製造している。TVSグループの中核企業の一つである。
歴史
TVSグループの発展
TVSグループの持株会社であるTVS&サンズ(TVS & Sons)は1911年にT・V・スンダラム・アイアンガー(T. V. Sundram Iyengar)によってマドゥライに設立された。翌年からバス運行業を開始し、その後ディーラー業など他の自動車関連ビジネスにも事業を拡げていった。スンダラム・アイアンガーが1955年に死去すると会社は息子たちによって引き継がれ、金融、保険、タイヤ、自動車部品の製造等さらに事業を拡大していった。
スズキとの合弁
1962年、イギリスのクレイトン・ドゥワンドル・ホールディングス(Clayton Dewandre Holdings)との合弁でスンダラム-クレイトン(Sundaram - Clayton)が設立される。この会社の事業はブレーキなどの自動車部品の製造であったが、1978年にモペッドの製造を行うためホスール(英語版)に工場を建設した[1]。1980年、最初のモペッドとなるTVS-50の量産が開始された。
1982年、スンダラム-クレイトンと日本のスズキの合弁によってインド・スズキ・モーターサイクルズ(Ind Suzuki Motorcycles)が設立され[2]、スズキの技術協力を得て1984年からオートバイの量産を開始する。1986年にはTVSスズキに社名変更し、サムライ、ショーグン、フィエロ、シャオリンといった車種をインド市場に投入していった。
2001年、経営方針をめぐる意見の相違から合弁が解消され、19年にわたる提携が終了した。TVSスズキはTVSモーターに改称し、スズキブランドを放棄してTVSブランドでバイクの製造・販売を行うことになった。また、スズキのインド二輪車市場への再参入はすぐには行われず、30ヶ月の猶予期間が設けられることになった[3](その後、2004年にスズキ・モーターサイクル・インディアを設立)。
合弁解消後
TVSモーターは2002年にデミング賞を受賞した[4]。
2009年には新型スクーターのウィーゴー(Wego)とインドで初のオートクラッチ車となるオートバイ、ジャイヴ(Jive)を発表した[5](ただし、ジャイヴは販売不振で2013年に製造終了)。
2013年4月8日、TVSモーターは500cc以下のセグメントへの参入を目論むBMWモトラッドと同分野で協業することで合意し、調印式を行った[6]。
TVSモーターの製造拠点は現在、インド国内に3ヶ所(タミル・ナードゥ州・ホスール、カルナータカ州・マイソール、ヒマーチャル・プラデーシュ州・ナラガール(英語版))、そして海外に1ヶ所(インドネシア・西ジャワ州・カラワン)となっている。2013年8月2日、新たにウガンダに工場を建設することが発表された[7]。
2020年4月17日、TVSモーターはイギリスのノートン・モーターサイクルズを160万ポンドで買収した[8][9]。
製造車種
- オートバイ
- アパッチ(Apache)- 2006年発表
- スポーツ(Sport)- 2007年発表
- マックス4R(Max 4R)- 2010年発表
- スターシティー(Star City)2012年発表
- フェニックス(Phoenix)- 2012年発表
- スクーター
- スクーティー(Scooty)- 1994年発表
- ウィーゴー(Wego)- 2009年発表
- ジュピター(Jupiter)- 2013年発表
- モペッド
- オート・リクシャー
脚注
出典
外部リンク