SOIウエハの製造法は、SIMOX(Separation by IMplantation of OXygen)方式と張り合わせ方式の2種類がある。SIMOX方式はIBMが中心となって開発した技術で、酸素分子をイオン注入によりシリコン結晶表面から埋め込み、それを高熱で酸化させることでシリコン結晶中に酸化シリコンの絶縁膜を形成する。現在ではSIMOX方式よりさらに表面特性の優れたSmartCut方式が主流になっている。これは、バルクウエハの表面に酸化膜を形成したのちもう一枚の加工されていないバルクウエハと表面同士で貼り合わせ、先のウエハを剥離して作成するものである。剥離厚は酸化膜より深部に事前に注入された水素イオンの表面からの距離によって制御され、剥離面は化学機械研磨(CMP)により表面仕上げされる。SOIウエハの製造コストは、バルクシリコンのウエハに比べ工程が増えるためその分高価になる。