NGC 7027の中心の白色矮星は降着円盤を持ち、それが高い温度の源として働いている可能性がある[12]。白色矮星は、約0.7太陽質量で、太陽光度の7700倍の放射を行っていると考えられている[6]。NGC 7027は現在は、外層の分子が構成原子に解離し次いで原子がイオン化する、惑星状星雲の進化における短い段階にさしかかっている[13]。
NGC 7027の拡大しつつあるハロは、太陽質量の約3倍の質量を持ち、中央の電離領域の約100倍も重い。NGC 7027のこの質量喪失は、太陽の数倍の質量の恒星が超新星爆発による破壊を免れうるという重要な証拠となっている[8]。
NGC 7027は、中央の熱い恒星に起因する高度に電離したスペクトルを持つ[4]。この星雲は炭素に富み、強い紫外線照射に晒された濃い分子雲における炭素化学の興味深い対象となっている[14]。NGC 7027のスペクトルは、通常の惑星状星雲のものと比べ、中性分子に由来するスペクトル線が少ない。これは、強い紫外線放射によって中性分子が破壊されるためである[15]。この星雲は、イオン化エネルギーが非常に高いイオンを含む[16]。NGC 7027では、星間空間に存在すると信じられているが未だ確認されていない水素化ヘリウムイオンが高確率で見られる[14]。またNGC 7027には、ハイパーダイヤモンドが存在する証拠がある[17]。
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