LimeWire (ライムワイア、ライムワイヤ)は、かつてGNU General Public License 下で公開されていたフリーソフトウェア 及びオープンソース のGnutella P2P クライアント・ソフトウェアである。米連邦地方裁判所の命令を受けて2010年10月にソフトウェアの配布を停止。
概要
LimeWireはGnutella P2Pプロトコルを利用したファイル共有をユーザー同士で行うことができる。これは2004年 12月に公開された。バージョン4.2の特徴として、ファイアウォール 設置同士のファイル交換をサポートした最初のファイル共有ソフト である。開発元はLime Wire LLC である。
LimeWireはJava で書かれているため、Java仮想マシン がインストールされたコンピュータで利用できる。普通のユーザー向けにインストールを簡単にするため、デベロッパーは Windows 、Mac OS X 、及び deb /RPM 形式でLinux 向けにインストール・パッケージを公開していた。
ソースコード を入手して使用する場合には Javaランタイムルーチンを別途用意する必要があった。
オープンソースであったため、LimeWireはペンシルベニア州立大学 での実験的上のソフトウェア開発プロジェクトLionShare 、独特なインタフェース と共に人気のあるApple 製Mac 向けグヌーテラ・クライアントAcquisition 、Cabos 、FrostWire を含む、いくつかの派生型が作成された。
特徴
初期ノード設定等が不要。
ファイル共有色が強いため、多くの場合インスタントメッセージ 等事前の予告を送らなくてもダウンロードできた。
Javaで開発されているため、複数のOS に対応していた。
ベータ版 の4.13.1からMojitoDHT を実装していた。
4.13.9からTLS により接続を暗号化できるようになった。
LimeWire PRO
LimeWireの有償版としてLimeWire PROが販売されており、価格は21.95ドルであった。PRO版の特典期間を1年間延長するLimeWire PRO延長版も販売されており、価格は34.95ドルであった。
PROではBASICよりファイルのダウンロードが高速で行えることと、より多くのソースにアクセス可能となることが特徴であった。PROにすると電子メールサポートも可能になった。また、BASICでは起動時にPROにアップグレードを勧めるメッセージが出てくるが、PROでは出なかった。LimeWire PRO 5.5より、オランダのAVG Technologies のウイルス 対策SDKエンジンが組み込まれた[ 1] 。PROでダウンロードされた全ファイルは、ユーザーのPCで再生または実行される前にスキャンされ、ウイルスの感染拡大を防いでいた。
訴訟問題
米国時間2006年8月4日、Sony BMG、Virgin Records、Warner Bros. Recordsなどが参加するレコード著作団体が著作権侵害の疑いがあるとしてLimeWireと経営陣を提訴した。内容としては1曲あたり約15万ドルの賠償金、および今後楽曲を共有する際、事業モデルをレコード会社と契約する形への変更を求めた[ 2] 。
しかし約2ヵ月後、LimeWireはレコード会社がLimeWireから利用者を減らそうと不当な商行為を行ったと反訴。また、オンライン楽曲配信市場の取引抑制を共謀し、シャーマン独占禁止法 、クレイトン独占禁止法 の条項に反しているとも主張した[ 3] 。
2010年5月11日、ニューヨーク州南部地区連邦地裁は、LimeWireの親会社Lime Groupとその設立者マーク・ゴートンがLimeWireによって著作権侵害およびその幇助、さらに不正競争に関与したことを認める略式判決を下した。
2010年10月26日、米連邦地裁がLimeWireに恒久的なサービス停止を命じたことを受けて、ソフトウェアの配布とサポートを停止した[ 4] 。
関連項目
脚注
外部リンク
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