Lemino BOXING(レミノ・ボクシング)[1]は、NTTドコモ(以下ドコモ)の動画配信サービスであるLeminoにて配信されるプロボクシング中継である。
本項ではドコモグループが手掛ける動画配信でのボクシング中継を扱う。
概要
2023年4月12日に開始したLeminoにより、フェニックスプロモーション(大橋ボクシングジム)主催興行を第1試合より生配信している(世界タイトルマッチをメインとする興行は6回戦以下のアンダーカード除く)。映像制作は大橋ジムとマネジメント契約を結ぶ株式会社セカンドキャリアに委託(制作協力AX-ON)。
配信形態は以下の通り[2]。
- Lemino(無料。要dアカウント) - 生配信及び2週間の見逃し配信。但し世界タイトルマッチは生配信のみ。
- Leminoプレミアム(定額料金制) - 生配信及びアーカイブ配信見放題。
- ひかりTVチャンネル1 - 生放送。
- ひかりTV見放題ビデオ - アーカイブ配信見放題。
- バリュープラン Powerd by Lemino(SPOOX) - 一部興行のアーカイブ配信。
- Leminoセレクト(Amazon Prime Videoチャンネル) - 一部興行のアーカイブ配信。2024年10月1日開始。
PHOENIX BATTLE
2018年より当時NTTぷらら(2022年7月1日にドコモと合併)の映像配信サービスであったひかりTVが世界王座を3階級制覇していた井上尚弥とスポンサー契約を結んでいた関係で、井上が所属するフェニックスプロモーション主催により2021年7月21日に後楽園ホールで行われた「第79回フェニックスバトル」をひかりTVのテレビサービスである「ひかりTVチャンネル1」及びドコモが提供するdTVチャンネルの「ひかりTVチャンネル+」で全6試合が生中継された[3]。この中継は定額制サービスとしての配信だった。
それまでフェニックスバトルはフジテレビにて「FUJI BOXING-PHOENIX BATTLE」[注 1]として放送されていたが、以降はひかりTVとフジテレビで交互に放映権が変わる仕組みになった。ひかりTV版はメインを大橋所属以外で組むことが多い。
10月19日の第81回からひかりTV版は「PXB PHOENIX BATTLE powerd by ひかりTV」として配信(興行上は「NTTフェニックスバトル」)。ロゴも「PXB」の文字を大きく表したものになっている。
2022年2月の第85回よりフェニックスバトルは毎月1回の開催となり、偶数月をひかりTVが担当する[注 2]。
4月22日のPHOENIX BATTLE 87(メインは谷口将隆(ワタナベ) vs 石澤開(M.T)のWBO世界ミニマム級タイトルマッチ)よりABEMA PPV ONLINE LIVE(1,500円相当。ABEMAプレミアム会員は無料)でもサブライセンスとして配信[4]。
2023年4月26日のPHOENIX BATTLE 99よりプラットフォームがLeminoに変更され、タイトルも「NTTドコモ Presents Lemino BOXING PHOENIX BATTLE」に改称[2]。併せてドコモが大橋ジム全体のスポンサーとなった。その際にタイトルロゴも一新されたが、韓国で開催される「PHOENIX BATTLE SEOUL」においてはPXBロゴの使用が継続されている(ただし、「PHOENIX BATTLE SEOUL」の日本国内での中継はなし)。なお、ABEMAへのサブライセンスは終了。
Lemino BOXING PHOENIX BATTLEは基本的に偶数月最終週の平日に行われるが、大橋所属選手の世界タイトルマッチが組まれ、かつLeminoで配信される月は別日程か行われない。一方で、2023年11月以降は他のプロモーターとの合同開催として奇数月にも組まれる。
2024年1月12日のPHOENIX BATTLE 109は真正プロモーションと共同開催で女子トリプル世界戦を含めた「女子5大タイトルマッチ」として開催。フェニックスバトルでの女子世界タイトルマッチは2015年10月22日に行われた宮尾綾香(当時大橋) vs 小関桃(青木)のWBA・WBC女子世界アトム級王座統一戦以来約8年ぶりでLemino BOXINGでは初となる。なお、この興行のポスターにはPXBロゴが再度使用されている。
3月1日開催のPHOENIX BATTLE SEOULを初めて録画配信(興行を共催した現地プロモーターによるYouTube生配信(カメラ固定・コメンタリーなし)もあり)。
4月13日、グリーンツダと共催でPHOENIX BATTLE 113 & CRASH BOXING vol.31をLemino BOXING初の国内首都圏外での開催として大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)第2競技場にて開催[5]。
世界タイトルマッチ(旧PXB WORLD SPIRITS)
井上尚弥を始めとする大橋所属選手が出場する世界タイトルマッチをメインとする興行については「PXB PHOENIX BATTLE」とは別枠となる。dTV時代には井上命名の「PXB WORLD SPIRITS」のタイトルが付けられていた。
2021年12月14日に両国国技館で行われた井上 vs アラン・ディパエンのWBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチは、ひかりTVとABEMAでともにPPVで生配信された(ひかりTVはGo Toイベントキャンペーン適用価格で税込3,960円)[6]。それまで、井上の試合はフジテレビ系列全国ネット(海外開催はWOWOW)で生中継されていたが、この試合以降当番組で配信されることになった(ただし、2022年6月7日の井上 vs ノニト・ドネアのバンタム級3団体王座統一戦と2024年5月6日の井上 vs ルイス・ネリのスーパーバンタム級4団体統一王座防衛戦は当番組ではなくAmazon Prime Videoで配信された)。
第2弾となる2022年12月13日に有明アリーナで行われた井上 vs ポール・バトラーの世界バンタム級4団体王座統一戦は定額制として独占生配信されたが、会員登録者急増によるシステムダウンを懸念し、急遽非会員にも無料開放した[7]。
第3弾となる2023年7月25日[注 3]に有明アリーナで行われるスティーブン・フルトン vs 井上のWBC・WBO世界スーパーバンタム級とロベイシ・ラミレス vs 清水聡のWBO世界フェザー級のダブルタイトルマッチがLeminoにリニューアル後初の世界戦となり、こちらも無料配信された[11]。生中継は第4試合以降で行われ、第3試合までは休憩時間にハイライトとして配信された。
なお、有明アリーナの運営にはドコモも関与している。
サポート契約選手
サポート契約とはLeminoが選手活動のサポートを行う契約のことで、放映権契約については独占ではないため他興行への出場も可とする。
- サポート契約後の2023年7月8日にエスフォルタアリーナ八王子で行われた星大翔とのWBOアジアパシフィックウェルター級タイトルマッチはU-NEXTにて配信された。
- なお、八王子中屋は11月27日に後楽園ホールにて「PHOENIX BATTLE 107」を共同開催(佐々木は試合出場せずナビゲーターとしてVTR出演)。
- 2024年5月16日の「PHOENIX BATTLE 116」のメインに出場。
その他
2023年5月20日に行われた「DANGAN259 & 井上尚弥4団体統一記念モンスタートーナメント予選」はBOXING RAISEで生配信されたものからテロップカードを削除してアーカイブ配信された。
主な出演者
解説
- 川島郭志(元WBC世界スーパーフライ級王者) - 世界タイトルマッチのみ。フジテレビ解説者兼。
- 長谷川穂積(元WBC世界バンタム級・フェザー級・スーパーバンタム級3階級王者) - WOWOW・Prime Video・U-NEXT解説者兼。
- 亀海喜寛(元東洋太平洋ウェルター級王者、元日本スーパーライト級王者) - WOWOW・U-NEXT解説者兼。
PHOENIX BATTLEは通常長谷川・亀海の2人体制で、長谷川はセミ前及びセミファイナル、亀海はそれより前のアンダーカードをそれぞれ担当し、メインイベントはダブル解説。世界タイトルマッチは川島・長谷川のダブル解説。
- 過去
- 畑山隆則(元WBA世界スーパーフェザー級・ライト級2階級王者)
- 西岡利晃(WBC世界スーパーバンタム級名誉王者)
- 八重樫東(元WBA世界ミニマム級・WBCフライ級・IBFライトフライ級3階級王者)
- 山中慎介(元WBC世界バンタム級王者)
- 村田諒太(元WBA世界ミドル級スーパー王者)
- 岩佐亮佑(元IBF世界スーパーバンタム級王者)
- 細川バレンタイン(元日本スーパーライト級王者)
ゲスト解説
- 平岡アンディ(元WBOアジアパシフィックスーパーライト級王者)
- 佐々木尽(WBOアジアパシフィックウェルター級王者) - Lemino BOXINGサポート契約選手
実況
- 赤平大 - フルトン vs 井上戦より出演。以降のPHOENIX BATTLEでメイン実況兼MC、世界タイトルマッチでアンダーカード実況。井上 vs ドヘニー、武居 vs 比嘉でLemino世界タイトルマッチ初実況。
- テレビ東京時代に『ノックアウトボクシング』実況歴あり。
- 中野玄 - フルトン vs 井上戦より出演。世界タイトルマッチのレポーター。以降のPHOENIX BATTLEでアンダーカード実況。
- 中元翔一 - 主にアンダーカード実況。
- 市川勝也 - 主にアンダーカード実況。
- 過去
- 矢野武 - PHOENIX BATTLE101までメイン実況。
- 以下は世界タイトルマッチの実況兼MC
- 日本テレビエグゼクティブアナウンサーであるが、WOWOWなどと同様に在籍出向扱いで出演。U-NEXT『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT』ではMC。
- フジテレビ時代に『ダイヤモンドグローブ』実況歴あり。
鈴木以外はフリーアナウンサーで、矢野、市川、中野、中元の4人はボイスオン所属。
リポーター
- 涼那 - PHOENIX BATTLE117で初出演。
- 原麻梨乃 - PHOENIX BATTLE119で初出演。
興行ごとに交代出演。
備考
- 2023年までPHOENIX BATTLEの第1試合は解説を置かず、実況のみで進行していた。
テーマ曲
関連番組
殴道BOXER'S ROAD
殴道BOXER'S ROAD(ボクサーズロード)は、2022年5月4日から毎週水曜日22時30分より初回配信され、全10回配信された番組。
大橋ジム監修の下、全国のジムに所属するプロボクサー候補生から金の卵8名を選抜し、6月29日開催の「PXB PHOENIX BATTLE89」出場権を懸けて争った[16]。
出演
- 監修・プロモーター
- 番組ナビゲーター
- 育成トレーナー
- 平岡ジャスティス(平岡アンディの父)
- 細川バレンタイン
- 松本好二
- 八重樫東
候補生
- 内田勇心(大橋)
- 小川魁星(伴流)最終審査通過
- 小針智生(大橋)
- 佐藤友規(punchout)優勝
- 中島海二(八王子中屋)1次審査通過
- 中谷清彩人(EBISU K's BOX)
- 山口鋭正(小熊)1次審査通過
- 渡部龍昇(REBOOT.IBA)
脚注
注釈
- ^ 2013年4月の第43回でフジテレビ初放送。2014年10月の第52回より放映権一本化。2020年9月の第73回より奇数月第2火曜日に固定。
- ^ 奇数月は引き続きフジテレビが担当しFODにて生配信。FUJI BOXING版ではPXBロゴは使用しない。なお偶数月のフジテレビは「FUJI BOXING-DIAMOND GLOVE」を放送・配信。
- ^ a b 当初は5月7日に横浜アリーナで予定していたが、井上の負傷のため延期された[8][9][10]。
- ^ 当初は2024年12月24日に予定していたが、グッドマンの負傷のため延期され[12]、その上で対戦相手も変更された[13]。また、同じく予定されていた武居由樹 対 ユッタポン・トンデイは武居の負傷のため中止[14]。
出典
関連項目
外部リンク