LRE (Laser Reflecting Equipment) は、宇宙開発事業団 (NASDA) が2001年に打ち上げたレーザ測距装置。H-IIAロケット1号機の軌道計測に使用された。
計画
直径51 cmの球形で、重量は87 kg[3]。衛星の表面には「コーナー・キューブ・リフレクタ」が126個、緩い曲面の鏡が24枚張り付けられている[4]。性能確認用ペイロード2型(VEP-2, Vehicle Evaluation Payload-2)に取り付けられ、打上げから約40分後にばねによって分離する。
LREの観測は、レーザ測距の国際的な組織である国際レーザー測距事業 (ILRS) に参加している通信総合研究所およびフランスのコートダジュール観測所との協力で行い、これらのデータを使用してNASDAがLREの軌道決定、評価を行う[4]。
なお、VEP-2には軌道計測用のドップラ測距装置(DRE, Doppler Ranging Equipment)も取り付けられていたが、LREによるデータはこのDREによる軌道計測より精度が高い[4]。
打上げとその後
2001年8月29日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット1号機で打ち上げられた。打上げから約40分後、VEP-2から分離し静止トランスファ軌道に投入された[5]。
2001年10月のNASDAプレスリリースにはレーザによるLREの観測が実現しなかったと報告されており[6]、事前資料にはレーザ側距まで3週間程度を目処としている[4]、とあることから計画していたLREの観測は失敗したと推測される。しかし、ドイツ応用物理学研究所(FGAN)の電波レーダと美星スペースガードセンターの光学観測によるLREの観測が成功しており、これらの情報からLRE軌道データが測定されている[6]。
参考文献
関連項目
外部リンク