『big body 』(ビッグ・ボディ)は、日本の音楽グループ であるP-MODEL のスタジオ・アルバム 。
1993年 3月25日 にポリドールから発売された。その後、2012年 5月2日 にタワーレコード限定で再発売された[ 1] 。2020年 12月2日 にはアナログ・レコード 盤が発売された[ 2] 。
2004年 9月8日 には、前作である『P-MODEL 』をカップリングした2in1アルバム『GOLDEN☆BEST P-MODEL「P-MODEL」&「big body」 』が発売されている[ 3] 。
概要
人類がコンピュータのネット・ワークにより“ホモゲシュタルト”という新しい、ひとつの統合された種になるというコンセプト・アルバム。シオドア・スタージョン のSF小説『人間以上 』をモチーフにしている[ 4] 。
ジャケットに描かれているCGキャラクターは平沢がAmiga で制作したもの[ 5] 。「ビッグ・ボディくん」と名付けられており、当時のライブの映像演出にも登場した[ 6] 。
また、ディスクジャケットに書かれている「Nsetn.... Oirao Ivook」を縦に右下から左上に読むと「kono ato revisION...」(この後revision つまり、この後「改訂」)と書かれている[ 7] 。
アメリカ 最大の音楽レビューサイト「Rate Your Music」のエレクトロ・ポップ ランキングにて8位と高い評価を得ている[ 8] 。
制作の背景
同年、本作発売をきっかけに開催されたライブツアー『BIG BODY TOUR』にてチラシが配布され、上述したジャケットの文章の答え合わせとP-MODELが次のライブをもって「メンバー改訂による待機」となることを発表した[ 7] 。その後、同年11月に行われたライブイベント『ERROR OF INFORMATION"待機"』をもって、メンバーチェンジの為に一時休止している。
この「活動待機」は解凍P-MODELとして活動する際に企画しており、平沢は一定期間限定の活動を条件にメンバーの勧誘をし[ 9] 、二年間で二枚のアルバムを作る事と、野音(日比谷野外音楽堂 )で始まり、野音で終わるという構想もしていた[ 7] 。
サウンド面では前作を踏襲しつつ、さらにバラエティに富んだ曲調となっている。本作をもって解凍P-MODELが活動休止になることから、各メンバー個々の活動を意識したと平沢は語っている[ 9] 。平沢は「やっぱり『P-MODEL』はあのメンバーでの初顔合わせのアルバム。『BIG~』は各々がバンドとしてのツボをつかんできたのちの作品、だろうから。これでもう1枚作ってれば、もっとまとまったモノができたんでしょうね」と語っている[ 9] 。
その他、秋山は今作の制作中にことぶき光 との共同作品を制作していたが、平沢が所属していたアイスリープロモーションの社長からボツを食らったことに不満を持って脱退を申し出た事もあったと後年語っている[ 10] 。
楽曲解説
CHEVRON
フランスの車メーカーシトロエン のエンブレム「ダブルシェブロンマーク」からインスパイアされた曲。当時、平沢はシトロエンの「XM」と「エグザンティア」を所有していた。
2010年 に平沢ソロアルバム「突弦変異 」でリメイクされる。
BIIIG EYE
改訂期ではテンポが遅くなったバージョンとなって演奏され、ライブビデオ「ENDING ERROR」に収録されている。
改訂期を経てバンド活動休止後は披露されることは無かったが、2023年・2024年に行われた平沢進+会人によるライブ『HYBRID PHONON 2566 』にて披露された。その際、原曲にて「Loud,Loud,Loud」よりサンプリングされていたアナウンスはAI Talkによる日本語のアナウンスに変更されている。
時間等曲率漏斗館へようこそ
「時間等曲率漏斗館」はカート・ヴォネガット の小説『タイタンの妖女 』からの引用。
改訂期を経てバンド活動休止後は披露されることは無かったが、「BIIG EYE」と同じく『HYBRID PHONON 2566』にて披露されている。
JOURNEY THROUGH YOUR BODY
秋山によると、自身が大学で学んだ人体解剖 と映画『ミクロの決死圏 』をイメージした楽曲[ 9] 。
クレジットには作詞として秋山の名前が記載されているが、本作に収録されているものには歌詞が存在していない。秋山は後年、本来ならば歌詞が入る予定だったが、レコーディング時にインストゥルメンタルに変更されたと語っている[ 11] 。
歌詞入りバージョンは当時開催されたツアーやライブイベント『ERROR OF INFORMATION"待機"』で披露されており、後者の物はライブアルバム『PAUSE 』に収録されている。
幼形成熟BOX
ことぶきがメインヴォーカルを務めている。翌年にはことぶきが率いるプノンペンモデルが構成と歌詞変更を加えてセルフカバーしている。
P-MODELの曲の中でも特にテンポが速く、更にはシンセの細かいフレーズが多用されている。ことぶきによると、デモ段階ではバラードとして制作しており、楽曲のテンポもBPM150程度であったが、レコーディングの際に平沢がBPM170にしたと語っている[ 12] 。
BURNING BRAIN
秋山がメインヴォーカルを務めている。
HOMO GESTALT
還弦主義8760時間のリメイク曲候補から早い段階で外されていた。理由は先に収録の決まった「WIRE SELF 」と曲構成や内容が被っていたため。
収録曲
# タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「CLUSTER 」 平沢進 平沢進 平沢進 3:44 2. 「CHEVRON 」 平沢進 平沢進 平沢進 3:15 3. 「BIIIG EYE 」 平沢進 平沢進 平沢進 3:32 4. 「BIG FOOT 」 平沢進 平沢進 平沢進 3:37 5. 「時間等曲率漏斗館へようこそ 」 平沢進 平沢進 平沢進 3:19 6. 「JOURNEY THROUGH YOUR BODY 」 秋山勝彦 秋山勝彦 秋山勝彦 3:39 7. 「幼形成熟BOX 」 ことぶき光 ことぶき光 ことぶき光 2:39 8. 「BURNING BRAIN 」 秋山勝彦 秋山勝彦 秋山勝彦 4:07 9. 「BINARY GHOST 」 平沢進 平沢進 平沢進 2:41 10. 「HOMO GESTALT 」 平沢進 平沢進 平沢進 4:45 合計時間:
35:20
リリース履歴
参加ミュージシャン
脚注・出典
外部リンク
現メンバー
平沢進 (Vocal,Guitar,Synthesizer)
元メンバー
ベース キーボード ドラムス
田井中貞利 - 荒木康弘 - 藤井ヤスチカ - 上領亘 - TAINACO
P-MODEL
シングル
美術館で会った人だろ
KAMEARI POP
ミサイル
ジャングルベッドⅡ
Rocket Shoot
ASHURA CLOCK
LAYER-GREEN
オリジナル アルバム その他 アルバム 映像作品
三界の人体地図
BITMAP 1979-1992
ENDING ERROR
音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE
核P-MODEL
シングル
Anti-Vistoron[Mecano Version]
Big Brother-可逆的分離態様
オリジナル アルバム その他 アルバム 映像作品
LIVE VISTORON
LIVE Parallel Kozak
HYBRID PHONON
関連項目