Kirpi
種類
歩兵機動車 原開発国
トルコ 運用史 配備期間
現役 配備先
#運用者 を参照 関連戦争・紛争
開発史 開発者
BMC (トルコ) 製造業者
BMC (トルコ) 派生型
4x4および6x6 諸元 重量
16トン 全長
6.0m(4x4ショート)・7.075m(4x4ロング) 全幅
2.51 m (4x4) 全高
3.2m 要員数
13名
装甲
STANAG 4569 レベル3(MRAP) a 主兵装
7.62mm/12.7mm機関銃 エンジン
CUMMINS ISBE 275またはCUMMINS ISLE 350 変速機
Allison 3000 type 3000SP 懸架・駆動
リーフスプリング 地上高
345mm 燃料タンク容量
310リットル 行動距離
60km/hで1000km テンプレートを表示
BMC Kirpi (ビーエムシー・キルピ、トルコ語 で「ハリネズミ」の意)は、BMC (英語版 ) が開発し製造するMRAP である[ 1] 。標準で装甲化され小火器の銃弾・弾片から防護するほか、増加装甲の装着も可能である。車体底部はV字型に整形され、対戦車地雷 および即席爆発装置 (IED)から内部の人員を防護する。一部の車両は、耐RPG 弾防御のためにケージ装甲を装備している[ 2] 。
開発・運用史
イスラエルのHatehof (英語版 ) 社製「ナビゲーター」MRAPを元にしている[ 3] 。
開発は2008年に開始され、2009年には最初のプロトタイプが製造された。2009年にはBMCはトルコ国防産業庁(SSB)への614両の納入契約を獲得した。この初期型はKirpi 1と呼ばれ、2014年に引渡しが開始された[ 2] 。
トルコ陸軍はKirpi 1を集中的に実戦投入し、死傷者数の大幅な低減に成功した。この成功により、Kirpiの総販売数はトルコ向けが1500両以上、輸出向けが200両以上にそれぞれ増加した。
配備から7年が経過し、顧客からのフィードバックを受けて、2018年に改良型のKirpi 2が導入され、同年にBMCはSSBへ529両のKirpi 2を納入する追加契約を獲得した。Kirpi 2の改良点は、快適性を向上させる独立懸架サスペンション、空調の改善およびエンジン冷却パックの統合ならびに軽量化(ペイロード・作戦用装備の搭載量の増加に繋がる)のための複合増加装甲、破片飛散防止内張りの取り付けなどである[ 4] 。
技術仕様
車体はV型形状のモノコックである。リカバリポイント・トーイングポイントが前部・後部に取り付けられ、後部にはNATO標準の牽引ピントルが取り付けられている。前部には液圧作動式セルフリカバリーウインチが標準装備される。
増加装甲を備えたV型モノコックボディは、NATO Stanag 4569に準拠して優れた対地雷・対銃砲弾片防御性能を有する。保護レベルは公表されていない。Kirpi 2では複合素材の増加装甲を有し、防御力がさらに強化されている。
乗員定員は13名である。操縦手、車長および銃手は前方に向かって搭乗し、残る10名は5名ずつ互いに向き合って車両側面後部に着席する。各席は耐地雷防御がされており、車内から応戦する必要がある場合に備えガンラックおよび銃眼 が備えられている[ 5] 。2つのルーフハッチがあり、1つは前方にあって上部の装甲板付き手動旋回銃塔に繋がっている。銃塔には7.62mm または12.7mm の機関銃 を装備することができるが、RWS に交換することもできる[ 2] 。RWSを装備した場合は前部ルーフハッチはRWSの後方に開くようになり、手動での操作や再装填が可能となる。第2のルーフハッチはキャビンの後端にある。車体の後部には油圧式ドアがあり、10名の兵員がこのドアから乗降しまたは脱出することができる。
空虚重量18t、積載量2,000kg、全備重量20,000kgである。
エンジンは、出力375hp(275kW)のEURO3排出ガス規制に適合したカミンズディーゼルエンジンである。コールドスタートキットが装備されており、冷却システムは-32℃から+55℃までの条件での戦闘行動に対応する。
ドライブトレーンは、Allison 3000 6速フルオートマチックトランスミッション と、二輪駆動または四輪駆動を切り替えられるAxletech製2速トランスファー からなる。マニュアル操作可能な空気圧作動式ディファレンシャルロック が縦置きで搭載されている。車軸は、フロントとリアの双方とも定格9,500 kgのAxletech製であり、パラボリックリーフスプリング 、筒型ショックアブソーバー およびアンチロールバーの組み合わせによって懸架されている。Kirpi 2はコイルスプリング付きの完全独立懸架 サスペンションを有する。パワーステアリング を備える。
タイヤは各1本の14.00 R 20を標準とし、リムは10×20インチである。タイヤ圧変更システム(CTIS)を装備する。フロントおよびリアにディスクブレーキ を装備し、補助用にエンジン排気ブレーキ を装備する。ABS も標準装備する。
車内およびエンジンの自動消火システムが標準装備である。
バリエーション
Kirpiは主として輸送用として設計されているが、目的に合わせて若干のバリエーションを有する。4輪および6輪が選択可能であり、いずれも全輪駆動 である。
4×4 兵員輸送型
13名の兵員を輸送できる4輪駆動の全天候・全地形対応の輸送型。
6x6 兵員輸送型
6輪駆動の兵員輸送型。15名を輸送することができる。
戦術戦闘型
兵員輸送型に索敵・兵器システムを搭載したもの。
汎用型
兵員輸送型を貨物輸送用に転換したもの。
救急車型
医師2名と横臥負傷者2名、または医師2名と横臥負傷者1名もしくは歩行できる患者2名を輸送できる。
地雷処理型
車列を先導して、地下に埋められた爆発物を探知し、ロボットアームで破壊・処分することができる。
運用者
BMC Kirpiの運用国を青色で示す
運用国
コソボ
コソボ治安軍 - コソボ国防省が、14両の4x4型を購入することを現地メディアおよびトルコのAnadolu Agency通信社に認めた。引き渡しは2022年に開始される予定である[ 6] 。
リビア
カタール
ソマリア
ソマリア国軍 - 12両の4x4型をトルコより寄贈され運用中[ 10] 。
チュニジア
トルコ
トルクメニスタン
ウクライナ
国家以外の運営者
ロジャヴァ
クルド人民防衛隊 (YPG) - 2022年、トルコ軍から2019年に鹵獲した車両を運用していることが確認された[ 20] 。
脚注
出典
外部リンク
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