B-66 デストロイヤー
飛行するB-66B-DL 53-0482号機
(1960年代撮影)
B-66 デストロイヤー(Douglas B-66 Destroyer )は、アメリカ合衆国のダグラス社が開発しアメリカ空軍に運用された戦術爆撃機。
軽爆撃機および偵察機として運用された。愛称の「デストロイヤー(Destroyer)」は、破壊者の意。アメリカ海軍で運用されたA3D艦上攻撃機を基に空軍用に改設計したものである。
概要
1951年にアメリカ空軍は、B-26などの戦術爆撃機の後継機を求め、各社に提案を要求した。その中で、ダグラス社が開発中であったXA3D-1の改修案が選定され1952年より開発が開始された。A3Dは海軍機としては大型機の扱いであるが、空軍機としては「軽爆撃機」であった。
エンジンは左右の主翼下にパイロンで1基ずつ装備されている。主翼は高翼配置であり、後退角を持っていた。
偵察機型の開発が優先され、はじめにRB-66Aの開発が行われた。開発当初は、A3Dより艦載機用装備(着艦拘束機材やカタパルトワイヤー、主翼折りたたみ機構など)の取り外しのみの予定であった。海軍向けのA3Dは高空作戦用の機体であったが、空軍が低空飛行用に改修することを求めたため、より大規模な改修が行われることとなった。主翼断面の再検討をはじめとして、射出座席の装備、油圧系統や照準装置および防御機銃の変更、空中給油装置の付加などである。エンジンもJ57からJ71に換装された。
RB-66Aは5機が製造され、1954年に初飛行した。しかし飛行性能に問題があったため、量産は行われず試験機の扱いになった。初の量産型はRB-66Bであり、照明弾を搭載し夜間偵察任務につけられている。爆撃機型のB-66Bは1955年に初飛行し、1956年から配備についた。
その後F-105のような搭載量の大きい戦闘爆撃機の登場によって、アメリカ空軍において軽爆撃機は不要とみなされるようになり、1962年には退役した。しかしB-66はA3D同様、機体規模に余裕のある設計であったことから電子戦機や気象偵察機にも転用され、電子戦機型はベトナム戦争にも投入され、1973年まで運用された。
なお航空自衛隊の創設期には、アメリカ側がB-47または本機の供与を打診し、日本側が本機を希望したものの、政治的配慮から結局供与が取り下げられたという経緯もあった[注 1]。
派生型
- RB-66A
- 偵察機型。実質は試作機。5機製造。
- RB-66B
- 偵察機型。145機製造。
- B-66B
- 爆撃機型。72機製造。
- EB-66B
- 電子戦機型。B-66Bより13機改造。
- RB-66C
- 電子戦/電子偵察機型。36機製造。オペレーター4名搭乗。
- EB-66C
- RB-66Cの名称変更。
- WB-66D
- 気象偵察機型。36機製造。オペレーター2名搭乗。
- EB-66E
- 電子戦機型。RB-66Bより52機改造。
諸元
- B-66B-DL
- 全長:22.9m
- 全幅:22.1m
- 全高:7.2m
- エンジン:アリソン J-71 ターボジェット(推力:45 kN)2基
- 最大速度:982km/h
- 乗員:3名(操縦手、航法手、機銃手)
- 武装:20mm機銃 2門、爆弾など6.8t(6,803.9 kg)
現存する機体
参考 [6]
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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陸軍航空部 1911 - 1924 |
昼間爆撃機 (DB) | |
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夜間短距離爆撃機 (NBS) | |
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夜間長距離爆撃機 (NBL) | |
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地上攻撃機 (GA) | |
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陸軍航空部 陸軍航空隊 1924 - 1930 |
軽爆撃機 (LB) | |
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中爆撃機 (B) | |
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重爆撃機 (HB) | |
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陸軍航空隊 陸軍航空軍 空軍 1930 - 1962 |
爆撃機 (B) * = ミサイル | |
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長距離爆撃機 (BLR) | |
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戦闘爆撃機 (FB) | |
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攻撃機 (A) (1924 - 1962) | |
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命名法改正 1962 - |
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