120円パッ区(ひゃくにじゅうえんパッく)とは、宮城県仙台市で導入されている、路線バス[注 1]の120円均一運賃制度である。
概要
1999年に仙台市が策定した「アクセス30分構想推進計画」に則り[1]、2002年に都心部の利便性向上と渋滞緩和を目的に、仙台市交通局・宮城交通が協同し、路線バスの100円均一運賃制度として「100円パッ区」を導入。なお、「100円パッ区」の名称は、実施区域の地図のイメージからTVゲーム「パックマン」から言葉をとったもの。[2]区域は、広瀬通一番町を中心とする中心業務地区が主である。
100円パッ区とは別に、地下鉄東西線開業に合わせ、八木山動物公園駅・薬師堂駅・荒井駅の3駅周辺についても100円均一の運賃体系が導入されている[3]。
2018年10月1日、市バス運賃の改定に合わせ、100円パッ区の区間を120円に値上げするとともに、名称も「120円パッ区」に変更された。地下鉄東西線3駅周辺の100円均一については変更されていない。
120円パッ区フリー共通定期券
100円パッ区のさらなる利用促進を図るために2003年10月より100円パッ区用の定期券が導入された。2019年10月現在においては、1か月4,870円 / 3か月14,610円 / 6か月29,220円の3種類が発売されている。
持参人式の定期券となっており、複数人間での定期券の貸し借りが可能である[4]。
120円パッ区一日乗車券
電子チケット販売サイト「仙台MaaS」のサービスが開始し、2021年10月30日より「120円パッ区一日乗車券」をWeb販売している。料金は大人券300円、子供券150円[5][6]。チケット購入と使用にはネット通信が可能なスマートフォンやタブレット等の端末が必要となる。
沿革
前史
- 1999年(平成11年)
- 7月 - 仙台市、「アクセス30分構想推進計画」を策定。
- 11月
- 宮城県が主導し、交通需要マネジメントの社会実験(杜の都の交通大作戦)を実施[7]。仙台市都心部においては、100円運賃の都心循環バス(通勤バス・買物バス)を運行[8]。実験に対して、高い評価が得られた[9]。
本史
- 2002年(平成14年)2月1日 - 都心バス100円均一運賃(100円パッ区)の実証実験を開始。
- 2003年(平成15年)10月1日
- 実施区域を拡大。
- フリー共通定期券「サン・キュ・パッ区」(1か月3,980円)の販売開始。
- 2015年(平成27年)12月 - 地下鉄東西線開業に合わせ、バス路線の見直しを行い、バス停の廃止・名称変更等が行われる。
- 2018年(平成30年)10月1日 - 市バス運賃改定に合わせ、100円パッ区の区間が120円に値上げ、フリー共通定期券も値上げされた[10][11]。
- 2021年(令和3年)10月30日 - 「120円パッ区一日乗車券」の販売を開始。
- 2022年(令和4年)10月1日 - 宮城交通の新たな都心循環バス「まちのり『チョコット』withラプラス」運行開始に伴い、対象バス停が追加[12]。
区域内バス停一覧
25のバス停が所在する[13]。仙台駅前を起終点とする循環系統[注 2]に乗車し、乗車経路に120円パッ区の区域外の停留所を含む場合[注 3]は、以下の停留所のみで乗車・降車した場合であっても120円パッ区は適用されない。
かつてのバス停
- 青葉通一番町(名称変更[注 9])
- 一番町中郵便局前(廃止)
- NHK前(名称変更[注 10])
- 大町西公園前 → 大町西公園駅(廃止)
- 片平一丁目検察庁前(廃止)
- 地下鉄広瀬通駅(名称変更[注 11])
- 中央三丁目(廃止)
- 仙台駅前降車場(昇格[注 12])
- 郵政ビル前(廃止)
- 北二番丁二日町(廃止)
利用状況
その他
- 区域内であっても、非路線バス(るーぷる仙台等)では適用されない。
- 愛子観光バスは、区間内[注 13]の運賃を「100円パッ区」に合わせて100円に設定。市バス等の運賃改定後の2018年10月以降も維持していたが、2019年10月より120円に引き上げられた[15]。
脚注
注釈
- ^ 仙台市営バス・宮城交通の2社
- ^ 瞑想の松循環、交通公園循環、北山→子平町循環、子平町→北山循環の4系統
- ^ 例:商工会議所前から晩翠草堂前まで利用する場合、701系統は乗車区間全てが120円パッ区の区域内であるため、運賃は120円となる。一方、999系統(北山→子平町循環)に乗車した場合は、乗車区間のうち二日町北四番丁 - 木町通小学校前間が120円パッ区の区域外となるため、120円パッ区の適用除外となり通常運賃の260円となる。
- ^ 青葉通一番町駅乗継バス停
- ^ あおば通駅・仙台駅乗継バス停
- ^ a b c 勾当台公園駅乗継バス停
- ^ a b 仙台駅乗継バス停
- ^ a b c 広瀬通駅乗継バス停
- ^ 現、青葉通一番町駅
- ^ 現、錦町一丁目
- ^ 現、広瀬通駅
- ^ 現、あおば通駅
- ^ 仙台駅前 - 広瀬通一番町間
出典
関連項目
外部リンク
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▲: のちに出張所へ降格したもの。 ○: のちに出張所へ昇格したもの。 ▼: のちに車庫へ降格したもの。 (廃): 廃止されたもの。 各営業所・出張所の後ろの( )内の表示は、所属するバスに貼られている動物のイラストステッカーに準じたもの。 |