黄幡神(おうばんしん)は、九曜の1つである羅睺(らごう)を奉ったもので、集落の境や村の中心、村内と村外の境界や道の辻、三叉路などにおもに石碑の形態で祀られている。
現在は道祖神の様に村の守り神として信仰されているが、元々はインド神話に登場するラーフと呼ばれるアスラであり災害をもたらす神として恐れられた。日本に伝来してからは、日食を引き起こした神であるスサノオと習合した。
また、吉凶の方位を司る八将神(はっしょうじん)の一柱で、別名万物の墓の方といい、また兵乱の神ともいう。この方角に向かって土を動かすのは凶だが、武芸に関することは吉とされている。
習合の結果、神として分類されたが仏教、特に密教と深く結びついている神である。仏教での本地は摩利支天王とされる。
種類
見た目は道祖神と酷似しているが、以下の条件で識別可能。
- 文字黄幡神
- 碑石に羅睺(黄幡)に関する漢字や梵語が刻まれた黄幡神。
- 蛇頭黄幡神
- 不動明王の様に憤怒を表しており、頭には原型であるラーフを表す九頭の蛇が刻まれた黄幡神。
- 日月黄幡神
- 羅睺(黄幡神)の左右もしくは上下に太陽と月を表す文字や絵が刻まれた黄幡神
- 習合したスサノオの性質を継承したものといわれる。
- 日食(月食)黄幡神
- 羅睺(黄幡神)に日食もしくは月食を表す黒円(円の一部が黒い場合もあり)が刻まれた黄幡神。
- 日食・月食を引き起こす羅睺星の性質を表したものとされる
- 蛇形黄幡神
- 羅睺(黄幡神)の姿が完全に蛇と化している黄幡神。
- 原型であるラーフを表したものとも、半身であるケートゥを表したものであるともいわれる。
- 複合型黄幡神
- 上記の要素が組み合わさった黄幡神。
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