長崎夜話草

長崎夜話草』(ながさきやわそう)は、江戸時代前期、中期の長崎(現・長崎市)や当時の諸外国に関する記事を記した1720年享保5年)刊行の書である[1]

岩波文庫の「長崎叢書」に所収されている[1]

著者

西川正休が父・西川如見の語った内容を筆記し、まとめたもの[1]。全5巻[1]

内容

巻1から巻3は、長崎ゆかりの故事、異国船往来の事情や鎖国禁教に関することを記している[1]。巻1には、当時の長崎土産のほか、さまざまな長崎の風物について記されている[2]。また、ジャカルタへと追放されたイタリア人日本人混血女性・じゃがたらお春がジャカルタから日本へと宛てたとされる手紙「じゃがたら文」の記述など、鎖国禁教体制の形成過程のエピソードも巻1に記載されており、当時の長崎の状況を知るうえで貴重なものも少なくない[1][2]

巻4は長崎の孝子、義夫、烈女などを記している[1]

巻5は付録として、眼鏡細工や硝子といった当時の長崎土産を紹介している[1]

収録書籍

  • 西川如見『長崎夜話草』求林堂、1898.12
  • 『長崎夜話草 原城紀事』(長崎叢書 第1巻)1926.10
  • 『町人嚢・百姓嚢・長崎夜話草』 (岩波文庫) ISBN 4-00-330181-1 1942.6

出典

  1. ^ a b c d e f g h 長崎夜話草(ながさきやわそう)”. 山川出版社. 2025年1月19日閲覧。
  2. ^ a b 「ジャガタラ文とお春の人生」”. ナガジン!. 長崎市 (2012年10月). 2025年1月19日閲覧。