金剛寺(こんごうじ)は、奈良県五條市野原にある高野山真言宗の寺院である。ボタン寺として知られている。関西花の寺二十五霊場23番、西国薬師四十九霊場第9番札所である。
縁起
金剛寺は1173年(承安3年)、平重盛により創建された。江戸時代初期から野原城主の畠山義春の菩提寺として復興し、奈良朝の末期、 光仁天皇の皇后、井上内親王(いがみないしんのう)と その子の他戸親王(おさべしんのう)の怨霊を祀る宮寺として さらには仁和寺直末の中本寺として栄えた。1822年(文政5年)当時の本常和尚が薬の原料としてボタンを植えたのがきっかけとして、ボタン寺として親しまれ、 毎年4月下旬から5月上旬にかけてボタン祭りが開催される。期間中、境内の吉野川を借景とする 約2,000平方メートルのボタン園では100種類1,500株のボタンが咲く。また、秋には、キクが咲き、小菊まつりが開催される。
行事
- 1月28日 - 三宝荒神供
- 2月3日 - 星まつり
- 3月18日 - 彼岸千部会
- 4月下旬 ~ 5月上旬 - ぼたん祭
- 10月25日 ~ 11月10日 - 菊薬師と小菊まつり
- 11月3日 - 菊薬師会式
- 12月31日 - 除夜の鐘
文化財
- 薬師如来 - 本尊。800年前の平安時代の作で、白檀の香木による一木造りである。
- 日光菩薩
- 月光菩薩
- 十二神将
- 阿弥陀如来 - 700年前の鎌倉時代の作で寄木造りである。
- 星祭九曜星本尊 - 秘仏、節分の日(2月3日)に開帳される。
伽藍
- 本堂 - 江戸時代元禄期に再建され、昭和後期に大修理された。
- 観音堂 - 1897年(明治30年)、当時の唐招提寺長老、大森覚明大僧正によって再建された。鴟尾(しび)には「唐招提寺金堂之模造」と印されている。 明治初期の神仏分離の時、天満宮・御霊宮より十一面観音、准胝観音を持ちかえり祀っている。
- 庫裡 - 1691年(元禄4年)に建立され、茅葺の屋根である。大正時代まで唐招提寺長老の隠居の間であり、 弟子育成の場でもあった。
- 山門 - 「山門に鐘楼あり牡丹寺」とうたわれるように、山門に釣鐘がある。釣鐘は1762年(宝暦12年)、近畿一円より10万人の寄進により造られた。
アクセス
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